食べる

高山で「新酒持ち寄り研究会」-新酒63点「今年の出来」を審査

ずらりと並んだ新酒を前に丹念に吟味する組合員ら

ずらりと並んだ新酒を前に丹念に吟味する組合員ら

  • 0

  •  

 高山の飛騨地域地場産業振興センター(高山市天満町)で3月13日、2011年度醸造の新酒の品質と製造技術を鑑定評価する「新酒持ち寄り研究会」が行われた。主催は飛騨地域12カ所の日本酒生産者らで組織する飛騨酒造組合。

[広告]

 同研究会は、飛騨地域の日本酒製造技術と品質向上のため、3月末の県品評会出品に先駆けて毎年この時期に行っているもの。当日は名古屋国税局、岐阜県酒造組合連合会、岐阜県産業技術センターから鑑定官や技術官らも参加し、「今年の新酒の出来」を審査した。

 会場には、吟醸酒を中心に、銘柄などが分からないよう無地の瓶に入った新酒63点と味見の「利きちょこ」がズラリと並んだ。ゲスト審査の後、各酒造場の代表や杜氏らは新酒一つ一つを丹念に見て回り、香りを嗅いだり口に含んで味を確認したりしながら今年の出来を吟味した。

 同組合員の一人は「今年は飛騨でどんな日本酒ができたのかを知る貴重な機会。今一番良いものもあれば、品評会までに寝かせ(熟成)調整して仕上げるものもある。しかし総じて今年は『酒の当たり年』と言っていい出来の良い酒が出そろった」と話す。

 県酒造組合技術顧問の苅谷幹冶さんは「今年度の飛騨地方は米の品質が良く、仕込み時期に厳寒が重なり気候にも恵まれた。これらの条件がプラスに影響し、ふくらみよくまろやかな酒になった」と講評した。

 当日は、酒造専門職の蔵人(くらびと)や従業員の「永年勤続者表彰式」も行われた。杜氏歴30年目を迎える蒲酒造場の坪根邦一さんは「『酒は生き物』。毎年毎年、米も違うし気候も違う。昔かたぎの厳しい先代(杜氏)に仕込まれた技術は宝物。初心忘れずに今後も毎年新たな気持ちで酒造りを続けていきたい」と話した。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース