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飛騨高山高で木曽馬の赤ちゃん誕生-「金環日食」の朝、名前は「ハルヒ」

金環日食の日に生まれた木曽馬「春陽(はるひ)」と母親の「春草(はるくさ)」

金環日食の日に生まれた木曽馬「春陽(はるひ)」と母親の「春草(はるくさ)」

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 日本列島を金環日食が縦断した5月21日、飛騨高山高校・山田校舎の馬舎で木曽馬の赤ちゃんが誕生した。翌22日、同校動物研究部の生徒たちにより子馬の名前が決められ、「春陽(はるひ)」と名付けられた

木曽馬の親子と動物研究部木曽馬班メンバー

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 21日早朝、同校教諭の辻野清太郎さんが馬舎を見回りに来た際、自然分娩で生まれた木曽馬の子を発見した。「種付けしたのが去年の5月。木曽馬の受胎率は約30パーセントと低いことから半ば諦めていたが、今年に入ってからおなかが大きくなり始め、その後の実習などで胎動を確認した。母馬は初産の上、妊娠期間が通常より長かったため分娩予定日が5月6日~20日と幅広く、心配したが無事生まれてよかった」と辻野さん。

 分娩の苦労について、「馬は基本的に安産。通常は自分だけで子どもを生むので、テレビドラマのようにロープで引っ張り出すようなことはよっぽどのことがない限りありません(笑)」と話す。

 子馬の性別は雌、毛色は鹿毛(かげ)、出生時体重は30.4キログラム。木曽馬としては小さい方だという。母親は同校で生まれ育った「春草(はるくさ)」、父親は開田高原(長野県木曽郡)の「鈴風(すずかぜ)」。

 子馬の名付けは、同校動物研究部・木曽馬班の生徒たち10人の投票により決められ、「風春(ふうしゅん)」「風鈴(ふうりん)」「鈴春(すずはる)」「鈴音(りんね)」「春姫(はるひ)」など、両親にちなんだ名や女の子らしい名が並ぶ中、誕生日が「金環日食」だったことから「太陽」の「陽」と、母親から「春」の1文字を取り「春陽(はるひ)」と名付けられた。

 名付け親となった同研究部部長の中島勝也さんは「妊娠を確認してからずっと名前を考えていた。投票では最初『春姫』や『風鈴』が優勢だったが、結果的に『金環日食』が決め手となった。自分の考えた名前が採用されてうれしい。『春陽』には、健康第一ですくすくと育ってほしい。母親のようにおとなしくて優しい馬になってくれれば」と話す。

 「春陽」は今秋ごろ、「純血の木曽馬」として登録申請予定。正式登録されれば、同校が飼育する木曽馬は全部で6頭となり、純国産木曽馬の育頭数日本一の記録を自ら塗り変えることになる。

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