5年に1度行われる国産黒毛和牛の全国品評会「第10回 全国和牛能力共進会」(長崎県佐世保市)が10月29日、閉幕した。岐阜県代表の「飛騨牛」は、全9区分の審査部門で最高位3位と健闘した。
全国38道府県から491頭の国産黒毛和牛が出品された今大会。精肉状態で審査が行われる枝肉部門の第8区(生後24カ月未満の若雄後代検定牛群)と第9区(生後24カ月未満の去勢肥育牛)で、飛騨牛は出品牛全てが歩留まり等級「A」、肉質等級「5」の最高ランクを獲得し、両部門で全国3位にあたる優等3席を受賞した。
このほか、購買者賞で優良枝肉賞(3位)、後継者の部では高山市清見町の溝端真也さんが優秀賞を受賞した。
部門別結果は次の通り。第1区(種牛・若雄牛)=優等7席、第2区(若雌牛1)=優等16席、第3区(若雌牛2)=1等6席、第4区(種雄牛・繁殖能力)=優等6席、第5区(繁殖雌牛群)=1等4席、第6区(母牛・娘牛・孫娘牛直系3代1群・高等登録群)=優等9席、第7区(種牛・肉牛の総合評価群)=1等7席。
全体では、宮崎牛が5部門で最多日本一。次いで大分県(2部門)、長崎県(1部門)、鹿児島県(1部門)が日本一を獲得し、九州勢の底力を発揮した結果となった。名誉賞の内閣総理大臣賞は、種牛区=宮崎県、肉牛区=長崎県が受賞した。
「飛騨牛応援団」として現地入りし、審査会場でエールを送り続けた高山市農政部長の伏見七夫さんは「今大会に懸けた出品者や関係者の取り組みと努力は評価に値するものだった。この経験は大きな財産。3連覇の夢は果たせなかったが、飛騨牛は今後も信頼と期待に応える努力を惜しみなく続けていく。飛騨に帰ったら、賞に結びつかなかった原因を分析し、5年後の宮城県大会に向けて決意を新たに再スタートを切りたい」と力強く語る。