飛騨の木工メーカー「オークヴィレッジ」(高山市清見町)とカスタム音響メーカー「音茶楽(おちゃらく)」(東京都世田谷区)の共同開発したカナル(耳栓)型イヤホン「Flat4-楓-(かえで)」が11月23日、発売される。
今年6月に「音茶楽」が発売した「Flat4-粋-(すい)」にさらなる改良を施したブラッシュアップモデルの同商品は、先日、東京都渋谷区内で行われた「秋のヘッドフォン祭り2012」(主催=フジヤエービック)で実機が初披露された。
「音茶楽」が持つ世界初の最新音響技術「ツイン・イコライズド・エレメント方式」をコアシステムに搭載し、筐体(きょうたい)部分には、「オークヴィレッジ」の木工職人による精密加工の木製ハウジングを採用。国産カエデ材に施された拭き漆(ふきうるし)加工が音響を調整し、音が「見える様に聴こえる」という。
木製パーツの製作指揮を務めたオークヴィレッジの佐々木一弘専務は「これまでさまざまな木工商品を手掛けてきたが、群を抜いて難しい仕事だった。加工物が非常に小さく、通常よりも製品誤差がかなりシビア。加工精度を上げるために専用の特殊刃物を一から作り、高温多湿状態で行う『漆がけ』には特に神経を使った。組み上がった製品を聴いた時は、木質特有の音の違いが明らかに分かり感動した。職人による技術の蓄積が生きた仕事ができてうれしい」と話す。
「目指すのは耳に優しい音」と話す「音茶楽」の山岸亮社長はソニー出身のエンジニア。同商品の特徴について、「予想以上の出来栄え。柔らかいのにクリアな音質で、細かい音の響きや余韻もしっかり聴き取ることができる。当然、ここからさらにエージングで音質が向上する楽しみも。20~30時間で中高音域が滑らかに、60~80時間で低音の伸びが一段下まで行き情報量が増える」と話す。
「このイヤホンは、日本の音響技術と木工技術が融合し、全て職人の手により国内で作られた『オールジャパンモデル』。使い込むほどに木目の美しさや音が成長し、長く愛用していただく価値のある商品に仕上がった」と自信をみせる。
販売予定価格は7万1,400円。限定生産200セットで11月23日から「オークヴィレッジ ショールーム」、「音茶楽 Sound Customize」、「フジヤエービック」(東京都中野区)で販売開始予定。