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飛騨・萩原の新成人、「成人式」をセルフプロデュース-「未来へ」テーマに

スライドショーの最終チェックを行う「はたちの会」メンバーと岩垣さん(右上)

スライドショーの最終チェックを行う「はたちの会」メンバーと岩垣さん(右上)

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 下呂市萩原町の「星雲会館」で1月8日、今春新成人となる若者が自ら企画・演出を手掛ける「成人式」の最終ミーティングが行われた。

中学3年間を振り返るスライドショーも

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 高校卒業後、同窓生の9割以上が進学や就職で地元を離れるという同町で、「成人式を一生心に残る生まれ故郷の温かい思い出にしてほしい」との願いから始まった同企画は今年で2年目。今回は「未来へ」をテーマに、地元在住の新成人6人が中心メンバーとなり、「大人の先輩」3人を相談役に自分たちの成人式を企画する「『はたちの会』実行委員会」を立ち上げた。

 昨年末には仕事帰りにメンバーが集まり、スライドショーの編集作業や同窓生全員に配る手作りの記念品製作など、夜遅くまで準備に励んだ。最終日のこの日は、ナレーション司会のリハーサルや文書の校正などを行った。

 同会代表者の内木聖也さんは「現在、出身中学で地元に残って仕事をしているのは自分1人だけ。1学年に1クラス36人の小さな学校だったので仲が良かった。一番長く会ってない人とは5年ぶりの再会。式当日が楽しみ。この場所に、また戻って来たいと思ってもらえるような日にしたい」と話す。

 女性メンバーの岡崎果歩さんは「スライドに使うため集めた5000枚以上の写真を300枚位に絞る作業が心苦しかった。その中に、中学最後のクリスマスにクラス全員でケーキを作って食べた時の写真があった。当時一番楽しかった出来事なのになぜか忘れていて自分でも驚いた。帰って来るみんなにも楽しかったことをたくさん思い出してもらいたい」と笑顔を見せる。

 同会で相談役を務める地元青少年育成委員の岩垣美雪さんは「セルフプロデュース成人式」の提案者。「きっかけは、かつての自分の成人式。偉い人の話を聞いて終わり。面白いことも感動も何もなかった。あの時、『もっと自分たちでこうしたい』と言えていれば良かったとずっと心残りだった」と話す。

 「おばちゃんの余計なお節介かも知れないが、向こうへ行ってたくさん失敗しても一人ぼっちじゃないよ、涼しい顔して帰っておいで、何とかなる場所はここにあるよということを20歳になるみんなに伝えることができれば」とほほ笑む。

 萩原町では今月12日、男女合わせて121人が新成人の門出を迎える。

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