高山市清見町ニ本木で現在、見頃を迎えた「シバザクラのこいのぼり」が地元民の話題を集めている。
こいのぼりの大きさは縦3メートル横17メートル。田植えを終えたばかりの水田には、白やピンクのシバザクラで作った鮮やかなコイがまるで泳ぐように写り込んでいる。同地に住む小瀬幸男さんが自宅前にある水田横の斜面に毎年描いているもので、年を追うごとに見物人が増え、今では地元で話題の名物スポットになっている。
シバザクラを植え始めたのは6年前、自宅裏にある畑斜面の草刈りを軽減しようと思いついたのがきっかけ。小瀬さんは「せっかくなので当時3歳だった孫を喜ばせようと、アンパンマンやドラえもんの形に植えたところ大変喜んでくれた。翌年からは孫の元気な成長を願って、こいのぼり(作品)を作り始めた」と話す。
「草刈りの負担は少し減ったが、毎年きれいに咲かせるため入念な手入れが欠かせないので結局手間はかかる(笑)。でも花は好きだし、喜んでくれる人もたくさんいるので励みになる。向かいの山の上を走る高速道路からも見えるそうで、毎年いつ咲きそろうかと楽しみにしてくれている人もいる。元気が続くうちは、夫婦で手入れをずっと続けたい」と小瀬さん。
この日、初めて見学に来たという女性は「数年前、高速で名古屋方面から高山に帰ってくる時に、助手席に乗っていて偶然気付いた。以来毎年春のこの時期、飛騨清見インターが近づくといつも気になって窓から見ている。いつか間近で見たいと思っていたので今年は念願かないうれしい。花の甘い香りもすごくて感激した。また来たい」と笑顔を見せた。
シバザクラは今週末に見頃のピークを迎える見込み。6月上旬まで楽しめるという。