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「飛騨プラネタリウム」が刷新-全天周型投影可能に、番組も一新

全天周投影が可能となり迫力ある鮮明な映像が楽しめる「飛騨プラネタリウム」(「宇宙一直線」の1シーン)

全天周投影が可能となり迫力ある鮮明な映像が楽しめる「飛騨プラネタリウム」(「宇宙一直線」の1シーン)

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 飛騨プラネタリウム(高山市清見町、TEL 0577-67-3407)が投影機材リニューアルと新番組導入から1カ月を迎えた。

「銀河鉄道の夜」の1シーン

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 同館では今回、これまで1台で賄っていたプロジェクターを2台に増やし、新バージョンの投影システム「HAKONIWA2」を導入。課題だったレンズ筒の影が消えて360度の全天周型投影が可能となり、より高解像度で明るくきれいな映像が楽しめるようになった。

 新システム導入に伴い上映番組も一新。投影機器の都合上これまで上映できなかった新番組「銀河鉄道の夜ロングバージョン」に加え、「銀河鉄道の夜ショートバージョン」「宇宙一直線」「スターリーテイルズ」(以上、KAGAYAスタジオ制作)、「宇宙はノンストップ」(エーディマック制作)の全5作品を来年3月末までロングラン上映する。

 館長の大矢正樹さんは「全国で減少傾向にある地方プラネタリウムにとって、フルCGの星座番組は救世主」と話す。同館は1986(昭和61)年、「科学の普及と青少年の豊かな育成」を目的にオープン。以来、飛騨唯一のプラネタリウムとして当初は年間3000人の入館者があったが、最悪時には年間500人にまで落ち込んだこともあったという。

 「指定管理制度導入後の2008年に、KAGAYAスタジオ(東京都)作品を皮切りにCG番組を上映するようになってから息を吹き返した。以来、苦しい台所事情を察した番組制作者の加賀谷穣(ゆたか)さんからは『地方プラネタリウムを救う一助になれば』と低予算で番組を提供していただくご厚意を受けている。ここ5年間は入場者数も年間5000人から6000人で推移しており、頭が上がらない」と大矢さん。

 一方では「一昔前の素朴なイメージが抜けきらないのか、地元来館者はさっぱり」とも。「リピーターも含め全体の8~9割が県外からの来館者。市内の小中学校へ学習投影を呼び掛けるも、現状は年間2~3校が利用するのみ。せっかく子どもたちに大きな夢が与えられる施設があるのにもったいない」と肩を落とす。

 番組の臨場感と浮遊感をより味わえるよう座席を極限まで減らしたり、全国でも同館でしか見られない番組ラインアップを取りそろえたりと努力もしている。「正直子どもの施設と思ってなめていた。最近のプラネタリウムがこんなことになっているなんて」と驚いて帰宅する人も多いという。

 リニューアルして1カ月がたった現在、明るい兆しも。大矢さんは「高山市内の小中学生以下を対象にした無料企画を開始したところ、地元入館者が前年比で2倍に。全体では20%増加した。この機会にもっと地元の人に当館の良さを知ってほしい」と期待を寄せる。

 開館時間は9時~17時。木曜休館(番組入替期間、年末年始も休館)。入館料は、大人=500円、高校生以下=300円、4歳未満無料。小中学生以下無料企画は来年3月末まで(毎週土曜・日曜・祝日、10時~の2本立て投影のみ)。

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