下呂警察署で6月7日、ヒーローキャラクターの「ゲロッピィ」と「ジョロッピィ」が復活した。
2体はこれまで、ゲロッピィ(三男・緑色)が約7カ月間、ジョロッピィ(長男・赤色)が約2カ月間と、「最大の理解者」転属をきっかけに意気消沈して抜け殻のようになり沈黙を貫いてきた。
同署駐車場ではこの日、下呂市で初となる「青色防犯パトロール出発式」があり、特命係のチュロッピィ(次男・黄色)も市職員や警察関係者らとともに列席。会場では見学の一般市民など数人が見守る中、下呂市防災情報課と下呂署が連携して情報を共有し防犯パトロールに当たる「青色回転灯搭載車(通称・青パト)」の標章交付式などが粛々と行われていた。
式が終了し青パトが出動する直前、おもむろに携帯電話のような物を耳に当て急にソワソワしだしたチュロッピィ。辺りをキョロキョロ見渡しながら、司会の男性警官に詰め寄ると何やら耳打ち。その直後、「重大発表です。ゲロッピィとジョロッピィが今こっちに向かっているそうです」と突然のアナウンスが。色めき立つ会場内に緊迫した空気が流れる中、屋内から全速力で走ってくる2体の姿――。
沈黙明けのゲロッピィは、以前にも増して体のボリュームと光沢感がアップ。ジョロッピィは少しスリムになった様子。チュロッピィは元気な2体の姿を見ると感極まって地面に泣き崩れた。ついに再会を果たした3兄弟は喜びもあらわに決めポーズなどをひとしきり披露した後、特別警戒のため下呂市内へ出動する青パトと防犯パトロール隊を敬礼で見送った。
突然のサプライズに驚く地元民と子どもたちは「おかえり、ゲロッピィ!すごく守ってくれそうで強そうになった」と笑顔を見せた。下呂署員は「復活したゲロッピィたちには、これからも地域のために頑張っていただきたい」と期待を寄せる。
会場にはゲロッピィの元「最大の理解者」である男性警官の姿も。「今日はゲロッピィが元気を取り戻しつつあるとのうわさを聞き矢も盾もたまらず駆け付けたが、元気一杯の姿が見られて本当にうれしい。7カ月間、よく孤独に耐えてくれた。新しく励ましてくれる理解者にも感謝。わが子の再出発を見送る気分で目頭が熱い」と声を詰まらせた。
現在のゲロッピィ「最大の理解者」である男性警官は「ペッタンコになりながらもけなげに下呂の平和を願い続けるゲロッピィから、青パト初運用を機に復活したいとの話を聞き、励ます決意を固めた」と話す。
「実はみんなの期待に応えられるようひそかに体を鍛えていたところ、ビルドアップしすぎて脱皮し新しい皮膚になったと聞いている。巨体に似合わず素早い動きができるほか、『夜の犯罪も見逃さない』よう目が光るようになったらしい」とも。
新しくジョロッピィの「最大の理解者」となった男性警官は「決意はゲロッピィに同じ。皆さまに親しまれながらジョロッピィと共に下呂の平和と安全を守っていきたい」と意欲を見せる。チュロッピィは「本当に良かった」と言葉少なに喜びをかみしめた。
3兄弟は「応援してくれる人々の熱い期待を全身に受け止め、これからも下呂署管内の平和と安全は俺たちが守り続ける」と力を込める。