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高山祭屋台「金鳳台」、秋空に輝く-3年越しの大改修を終え初披露

3年越しの大改修を終えた金鳳台

3年越しの大改修を終えた金鳳台

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 高山の「しもいち通り」(下一之町)で9月14日、大改修を終えた祭り屋台の「金鳳台(きんぽうたい)」がお披露目された。

屋台蔵から通りへ繰り出す金鳳台

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 秋の高山祭(八幡祭)に先立ち開催した「伝統文化の祭典」会場で披露した金鳳台は、1818年建造の祭り屋台。大きさは、高さ6メートル~7.2メートル(伸縮構造)、幅2.4メートル、長さ4メートル。老朽化のため3年前から休台し構造や装飾など屋台全体におよぶ大改修を行っていた。

 一般の前に姿を現すのは3年ぶり。爽やかな秋晴れとなったこの日の朝、お披露目の準備のため屋台蔵を開けると、日の光を浴びて輝く金鳳台が姿を見せた。

 土台や工芸装飾品の改修は地元の職人らで組織する「高山・祭屋台保存技術協同組合」が担当。ひもなどの繊維物は「川島織物」(京都府京都市左京区)、日本画などの文化財修復は、高山市出身の日本画家・日影圭さんが准教授を勤める京都市立芸術大学と同大学院が担当した。総事業費は約6千300万円。うち国と市が9割を、残りを氏子らで負担した。

 当日は、屋台蔵前で神事を執り行なった後、通りを数メートル曳き回し駐台披露したほか、近隣の布袋台組がお祝いのからくり演舞を奉納。足を止めてカメラを構える大勢の地元民や観光客らでにぎわった。

 金鳳台総代の桂川英伸さんは「立派な姿によみがえった屋台を見て、感無量の思いと同時に次世代に引き継ぐ使命感を強く感じる。金鳳台の氏子はかつて20軒以上あったが今や8軒のみ。今はなんとか身内や親類の助けを借りて現状を維持しているが、祭りで屋台を出すには最低でも15人ほどが必要で後継者確保が次の急務課題。きれいになった屋台をきれいなまま、何としても後世に伝えていかなければ」と表情を引き締める。

 秋の高山祭(八幡祭)は10月9日・10日、桜山八幡宮(高山市桜町)一帯で開催。氏子が獅子舞や闘鶏楽(とうけいらく)が花を添える祭り行列のほか、八幡宮参道で祭り屋台10台による曳(ひ)きそろえ(今年から『大八台』が修理のため休台)、境内では布袋台組がからくり奉納を行う。

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