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高山の「中橋」が開通-高欄新調、「祭り屋台」イメージした赤色に

改修工事を終え開通した中橋

改修工事を終え開通した中橋

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 昨年10月から耐震対策工事のため通行止めとなっていた飛騨高山のランドマーク「中橋」が4月1日、橋げたの改修工程を終え通行できるようになった。

江戸時代の擬宝珠

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 新しくなった橋は、コンクリート製の高欄(こうらん)部分を転落防止のため20センチ底上げしたほか、床板には融雪装置を備える。橋の色は近隣住民らの意見を反映し、以前のオレンジがかった朱色を含む5種類の中から「祭り屋台の赤色」をイメージしたという少し赤みの強い色が採用された。

 欄干(らんかん)上部を飾る擬宝珠(ぎぼし)は、全12個のうち代官所史跡の高山陣屋を上座とした西端の2つを同市が保管していた江戸時代の物に替えた。裏には「元文五丙申年 三月吉祥日」と刻銘されている。

 同橋は現在、一部工事が残っているため片側交互通行となっているが、早ければ明日にも全面通行となる見込み。開通を心待ちにしていたという60代の地元女性は「この橋が通れなくなってからというもの想像以上の不便さを感じていた。あらためて便利さを痛感した。通れるようになってうれしい」と話す。この日は、新しい橋の前で記念撮影をする地元の親子連れの姿も多く見られた。

 橋の近くに住む75歳の男性は、工事中も毎日、隣の橋から迂回(うかい)して川向こうの公園清掃を行ってきたという。「今日は朝から、観光客や地元民がみんな笑顔で橋を渡る良い光景をたくさん見られて心からうれしく思う。長生きしてて良かった。これからさらにまた、桜が咲いて祭り屋台が並んで最高の景色が見られる」と目を細める。

 今後は、橋脚や基礎などを補強する橋りょう下部工事を今年10月9日・10日の秋祭り後に再開するが、交通規制は行わない。2015年3月20日に全工程を完了する予定。

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