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高山で「春の山王祭」写真展-木工家具メーカーの小冊子編集室が初企画

(写真左から)「飛騨」編集委員の牧野さん、写真家のエレファント・タカさん、飛騨産業営業企画室の西本さん

(写真左から)「飛騨」編集委員の牧野さん、写真家のエレファント・タカさん、飛騨産業営業企画室の西本さん

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 高山のギャラリー&カフェ「遊朴館」(高山市上一之町、TEL 0577-32-8883)で4月9日、春の山王祭写真展「神様が町へやってくる。これが高山祭だ。カンカコカン」が始まった。

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 4月14日・15日に開かれる日枝神社(森下町)の例祭「山王祭(春の高山祭)」に合わせ、高山の木工家具メーカー飛騨産業(漆垣内町)の小冊子「飛騨」編集室が初めて企画した。

 2012年8月発行の飛騨第3号の特集「高山山王祭」から、冊子未収録を含む29点のモノクロ写真を家具の設計に使う大判の図面用紙にプリントして紹介。同館のほか、飛騨の家具館高山に併設のカフェ「茶房キツツキ」(名田町、TEL 0577-36-1110)でも12点を展示する。

 会場には、2年前の山王祭で撮影された神事の様子をはじめ、からくり人形を操る祭り屋台内部、神社へ帰還する御神幸(ごしんこう)行列など、祭りの表舞台でスポットを浴びることの少ない瞬間を捉えたカットが並ぶ。

 撮影したエレファント・タカさんは京都府在住の写真家。「飛騨高山に来たのはこの時の仕事が初めて。編集委員の牧野伊三夫さんからは開口一番『神を写してほしい』といわれた」と話す。

 牧野さんは「東日本大震災直後の4月当時、飛騨地域では祭り行事を自粛すべきか否かの大論争が各所で起きていた。そんな中、『山王祭はフェスティバルではなく神事。その土地に住む民と神が天下泰平と互いの幸福を粛々と祈り合うもの』と話した日枝神社宮司の奥洞憲仁さんの言葉が胸に刺さった」と振り返る。

 山王祭は例年通り執り行われた。「多くの人が大々的に発信する華やかな部分をあえて追従してまで伝える必要はない。私たちは祭りを支える根幹の部分に密着しようとの思いが、旧知の間柄であるタカさんに神を写して…の一言になった」と牧野さん。

 タカさんは「撮影を始めた当初は感じなかったが、闘鶏楽(とうけいらく=カンカコカン)の男性を写したあたりから、町を守る神々の気配に気付いた。からくり屋台の中では無数の神が漂っているような澄んだ空気が張り詰め、大勢の見物客が見つめる後ろにそびえ立つ山々…すごい光景に鳥肌が立った」

 「笛を吹く少女、獅子舞、裃(かみしも)姿の氏子たち、祭りが進むにつれて携わる人々が皆、神々に動かされているとしか思えなくなった。高山祭について何も知らなかった事が逆に幸いし、数々の場面に無心で立ち会えたように思う」と話す。

 同社営業企画室の西本元さんは「『飛騨』編集室のコンセプトに沿った企画展は今後も続けていきたい。間もなく始まる春祭りを見物される皆さまには、当展にも足を運んでいただき、きらびやかな一面と合わせて祭りを楽しんでもらえれば」と来場を呼び掛ける。

 開催時間は、遊朴館=10時~17時(最終日は16時まで)、茶房キツツキ=9時~18時。入場無料。今月16日まで。

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