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下呂温泉で地元高校生らが「飛び込み」観光ガイド-道行く観光客に声掛け実習

観光客に声を掛ける益田清風高校の生徒たち(下呂温泉合掌村で)

観光客に声を掛ける益田清風高校の生徒たち(下呂温泉合掌村で)

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 下呂温泉地内各所で5月4日、益田清風高校(下呂市萩原町)の生徒らが観光客に飛び込みでボランティアガイドを申し出る「観光ガイド実習」を行った。

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 「少しよろしいですか。地元の高校生ですが、もしよろしければ観光ガイドをさせてください」――晴天に恵まれたこの日、ゴールデンウイークの人出でにぎわう下呂温泉合掌村や下呂大橋、白鷺橋、湯之島通り周辺の路上で、同校観光産業系列の生徒21人が行き交う観光客に声を掛けた。

 こうした実習は今回が初めて。授業や調べ学習で学んだ地元情報を見知らぬ人に伝えることで、自己のコミュニケーション能力や情報伝達力の向上を図るのが狙い。

 観光客らは生徒からの突然の申し出に少し驚きながらも、下呂という地名の由来や、湯治場としての名声を世に知らしめた江戸期の朱子学者林羅山の故事など、身ぶり手ぶりを交えながら一生懸命話す生徒らの話に耳を傾けていた。

 実習を終え、2年生女子の小畑優月さんは「最初はほとんどの人に断られて心が折れそうになったが、写真撮影を買って出るというきっかけをつかんでからは立ち止まって聞いてくれる人が増えてうれしかった。将来は舞妓(まいこ)として活躍する姉と一緒に地域を盛り上げていくのが夢」と笑顔を見せる。

 地元観光協会職員らと屋外テントブースでパンフレット配布などに追われた丹羽兼太郎くんは「初めは瞬時の対応に戸惑ったが、学習したことを思い出すうちに冷静さを取り戻した。将来は地元の宿泊業界で働きたいので、もっと知識を増やさなければ」と意欲を見せる。

 実習指導教諭の日比野恭一さんは「今後も体験的な学習の機会を増やし愛郷心を育てていければ。ゆくゆくは下呂の産業を担う人材として一人でも多くの生徒に活躍してもらいたい」と期待を寄せる。

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