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飛騨神岡で「科学映画」上映会-宇宙研究所見学ツアーのスピンオフ企画

来場を呼び掛ける主催スタッフの蜘手さん

来場を呼び掛ける主催スタッフの蜘手さん

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 「神和荘」(飛騨市神岡町船津)で7月19日・20日の2日間、古今東西の科学映画を上映する映画イベント「かみおかかがく映画館」が開催される。主催はGSA実行委員会。

映画「68の車輪」からの1シーン

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 同日、旧神岡鉱山地下で開催する恒例の宇宙科学研究所見学ツアー「ジオスペースアドベンチャー」のスピンオフイベントとして企画した上映会は今回が始めて。会場の神和荘は、かつての神岡鉱山隆盛期に要人をもてなす迎賓館(げいひんかん)として使われていた昭和の建築物。

 同上映会の企画を提案した蜘手喜代寛さんによると、「科学映画」とは、SFを含まない科学全般をテーマとした映画で、科学知識普及のために製作された「教育映画」と、企業がクライアントに向けて製作した「企業PR映画」の2カテゴリに大別できるという。

 「特に後者のPR映画では戦後の高度経済成長期を支えたさまざまな先端技術が描かれていて、さしずめ『近過去への大人の社会見学』といった所。今の私たちからするとすでに過去のもので、そんな物があったことさえ知らないような技術を深く掘り下げた映像は、実に興味深く異様な迫力が宿っている」と蜘手さん。

 中には、「えっ、何でこの人が?」というような一流人が音楽や映像製作に関わっているのも見所の一つという。「おそらく題材のマニアックさから音楽一つ合わせるにも生半可な才能では太刀打ちできなかったのでは。ヘンテコでまじめ、古くて新しくてかっこいい、映像の数々を楽しんでいただければ」と話す。

 当日は、財団法人日本科学技術振興財団科学技術ライブラリーや、岩波書店、土木学会付属土木図書館など、合わせて10の団体・企業・個人からの上映協力を得て、科学映画の黄金期という1960年代の作品から近年の傑作作品まで、1日4プログラム計12本の映画を上映する。プログラムはローテーションかけ流しで2時間ごとに入れ替え、出入りは自由。上映作品は次の通り。

 Aプログラム(『みつめるかがく』 ひそかなプロジェクト)=「もんしろちょう」(1968年、27分、岩波映画製作所)、「富士山を測る」(1994年、25分、企画・大成建設、製作・桜映画社)、「衛星通信」(1964年、26分、企画・国際電信電話、製作・東京シネマ)。

 Bプログラム(『ものすごいかがく』 産業と技術と)=「振動の世界」(1971年、29分、企画・神鋼電機、製作・東京文映)、「潤滑油」(1960年、25分、企画・丸善石油、製作・東京シネマ)、「68の車輪」(1965年、32分、企画・日本通運、製作・東京シネマ)。

 Cプログラム(『たのしいかがく』 フィルムで観る科学映画)=「こわす」(1973年、16ミリ、27分、企画・科学技術庁、製作・学習研究社)、「あらう」(1980年、16ミリ、16分、企画・製作 同)、「ぬれる」(1968年、1973年、16ミリ、30分、企画・製作 同)。

 Dプログラム(『おしゃれなかがく』 アートとサイエンスの出会い)=「POWERS OF TEN」(1968年、字幕、9分、企画・IBM、製作・リチャード&レイ・イームズ)、「算数あそび」(1956年、9分、企画・製作・:カナダ国立映画制作庁、ノーマン・マクラレン)、「日常にひそむ数理曲線」(2008年、30分、企画・ベネッセ教育研究開発センター、慶応義塾大学佐藤雅彦研究室、制作・佐藤雅彦、ユーフラテス)。

 「何しろ初めての試みなので、ふたを開けるまでは海の物とも山の物とも分からないが、会場の雰囲気としては、子どもの頃、学校を休んだ日に家でぼんやりと教育番組をずっと見ていたあの感じを想像してもらえれば早いかも知れない(笑)」と蜘手さん。

 「響く人には響くし、何が面白いのかさっぱり分からない人も当然いると思うが、一応、見た人が思っていた以上に面白いと思ってくれるようなラインアップを取りそろえた」と自信を見せる。

 「こういう映画は、良いトラウマ作りというか、わけの分からない小さい子どものうちに見ておくといい。『ああ、昔親父に無理矢理連れられて変な映画をひたすら見させられたなあ』という日が人生に1日くらいあってもいいと思う。ぜひ親子連れで会場にお越しいただければ」と来場を呼び掛ける。

 時間は10時~18時。入場無料。詳しくはホームページで確認できる。

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