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高山市、仏アルザス州の都市と経済・観光協定へ-きっかけは地酒とワイン

ブドウ畑が広がるアルザスワイン街道の風景(高山市提供)

ブドウ畑が広がるアルザスワイン街道の風景(高山市提供)

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 高山市が11月、フランス共和国アルザス州コルマール市およびコルマール都市圏共同体と「経済・観光協定」を結ぶことになった。11月7日に現地で調印式が開かれる。

アルザス地方の伝統的建築物

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 同協定は、観光分野をコルマール市、経済分野を同市を含む周辺13自治体で構成する「コルマール都市圏共同体」と締結する。一般的な「都市提携」とは違い、実益先行の交流が可能で、経済・観光分野における住民や事業者間のつながりを自治体からアシストできるのが特長という。期間は5年間を一区切りとして取り組み、その後も双方の合意のもと発展的な継続を図る構えだ。

 コルマール市は、仏東部オー=ラン県の県庁所在地で、世界を代表する白ワイン「アルザスワイン」の中心地。全世界に出荷されるアルザスワインは全てコルマール市に本部がある「アルザスワイン委員会」が取りまとめており、年間出荷本数は1億5000万本、総出荷額は4億9000万ユーロ(約686億円)。パリに次いで2番目に日本人が多い町といわれ、ジブリアニメ「ハウルの動く城」のモデルになった町としても知られる。

 今回の協定のきっかけは、「飛騨の地酒」と「アルザスワイン」。昨年度、岐阜県と仏政府が策定した「岐阜地域交流プログラム」の取り組みの一つとして、今年4月に「飛騨地酒ツーリズム協議会」と「アルザスワイン委員会」が友好提携を結んだことから、両市でも自治体交流を図ろうと内容の協議を重ねてきた。

 高山市海外戦略室の林秀和さんは「両市の持つ観光資源と地域産業情報の仲介役として、確かなものづくりの価値と生産者の物語をしっかりと伝えた上で実益につながるよう、くっつけられるものは何でもくっつけていきたい。食文化や職人たちの顔を互いに見せ合いっこして、深く知りあう関係を築いていけたら」と期待を寄せる。

 協定締結のため11月2日~12日まで渡仏する国島芳明高山市長は、パリ市やコルマール市などで在仏日系機関との情報交換をはじめ、高山市のPR、海外誘客、特産品輸出のためのトップセールスを行うほか、11月7日~9日の会期で開かれる「コルマール国際旅行博」に岐阜県と共同出展し地域資源のプロモーション活動を展開する予定。

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