飛騨の標高1000メートルに位置する、地図にない村「山之村」で2月4日・5日、「里山のばあちゃんに学ぶ」山之村エコツアーが行われる。同ツアーでは現在、モニター参加者を募集している。主催は地元住民と団体ら有志で組織する「明日に向けた山之村地域協議会」。
同ツアーは「里山のばあちゃんに学ぶ」シリーズとして、通年数回行う募集型体験ツアー企画。シリーズ第2弾となる今回のテーマは「凍(し)みつく冬の山之村のおもてなしとは」。第1弾となった昨年11月のツアーで冬に備えて土に埋めた大根を掘り起こし大根を干す作業を行うほか、地元ガイドによる冬の里山集落の散策、地元食材を使った郷土料理の教室などを予定。作った料理を囲んでの夕食会では第1弾で漬けた「漬物」も味わう。
極寒の里山でしか作れない「寒干し大根」は山之村の伝統食で地域特産品の代表格。大根のうま味が凝縮された「山之村の寒干し大根」は大量生産できないため、飛騨地方でもめったに手に入らないことで知られる。作業では、家の軒先にゆでた大根の輪切りを串に刺し、厳しい冬の風雪にさらす工程を行う。
前回のツアーでは飛騨内外から参加者が多数あったほか、中には元・山之村出身者の姿も。同出身者らは「ほかにない地域文化なのでぜひ残していかなければ。自分たちに手伝える事があれば何でも言ってほしい」と話す。このツアーの売り上げの一部は山之村地区の「獅子舞保存会」に寄付される。
同ツアー主催協議会メンバーの山田拓さんは「厳しい冬の暮らし・四季のある真の日本人の暮らしを垣間見たい方はぜひ参加してほしい。ちょっと不便だが、その不便さが逆にいい。循環型のライフスタイルに興味を持っている方には何か答えが見つかるかも」と話す。
料金は大人1人1万3,000円(1泊2日3食付き)。現地集合現地解散だが、遠方からの参加者のために近隣駅からの送迎も行う。問い合わせと詳細は「エコウォーク」ホームページで確認できる。