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高山の仏壇店が「飛騨の工芸仏壇」専用展示ブース新設-愛称も募集

工芸仏壇「響」展示ブースを公開する堀尾社長

工芸仏壇「響」展示ブースを公開する堀尾社長

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 高山の仏壇店「仏壇工芸ほりお」(高山市三福寺町、TEL 0577-33-6686)が6月6日、自社ブランドの高級仏壇「響(ひびき)」シリーズの専用展示ブースを店内に新設した。

「200代 高山三方開 入り宮殿 堂造り」

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 同社は1909(明治42)年創業、105年間にわたり仏壇の製造販売を手掛ける老舗。「響」は2008年、創業100周年を記念して「さらなる100年を見据えた後世に残る仏壇作り」をテーマに立ち上げた飛騨高山工芸仏壇(以下、高山仏壇)の高級ブランドシリーズ。

 店内奥に新設した展示ブースの広さは約13平方メートル。琉球畳(りゅうきゅうだたみ)16畳敷きの和室には、同社の抱える職人による漆塗りと金箔(きんぱく)仕上げの建具、大小4本の仏壇を展示する収納スペース、飛騨の左官職人・挟土秀平さんが土壁を手掛けた床の間を備える。社長の堀尾雅紀さんは「高山仏壇の魅力と存在感を間近でじっくり味わってほしい」と話す。

 堀尾さんによると、高山仏壇に固有の大きな特徴は「段違い長押(なげし)」「木目出し」「三方開き扉」「障子の腰蒔絵(こしまきえ)」の4点。ほかにも、飾り金具を多用する名古屋仏壇、蒔絵・彫刻・金箔で豪華に仕上げる金沢仏壇、寺院の本堂に見立てた造作の京仏壇など、各地の仏壇の特徴を併せ持つという。

 「かつて、日本各地の名工の下で弟子入り修業を終えた飛騨の職人たちが、地元に持ち帰ってきた技術を生かした歴史の産物が高山仏壇。木地師、塗師、彫刻師、鍛冶師、切金(きりかね)師、絵師、織師、大工…ありとあらゆる職人技の粋を結集した総合芸術の祭り屋台と同じ土俵上にある」。

 「響」シリーズの生産量は年間わずか3本。「伝統ある高山仏壇の技法を後世に残したい一心で、製造の全工程に職人の最高レベルの手仕事を余すことなく徹底的に組み込んだ。そのため価格も通常の2倍~3倍はする。海外製品を使い安さを競う時代の風潮には完全に逆行しているが、『ちょっと待ってくれ』という職人たちの叫び声をどうしても世間に届けたかった」と話す。

 「仏壇は何世代にもわたって1度あるかないかの大きな買い物。最近では大きくて豪華な仏壇をあまり必要としない家庭も多くなってきているが、一方で響シリーズのような究極の仏壇を探している人もいる。買う買わないは別として、少しでも興味があれば気軽に見に来てほしい。この展示ブースをきっかけに、今や絶滅の岐路に立つ職人たちの技の数々を知ってもらえれば」と堀尾さん。

 同社では現在、新装した展示ブースの愛称を募集している。採用者には賞金5万円を進呈。店内備え付けの応募用紙でエントリーを受け付ける。締め切りは6月20日。

 営業時間は9時~19時。

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