福地温泉「昔ばなしの里」(高山市奥飛騨温泉郷福地)で6月14日、音楽フェス「FUKUNE MUSIC FES 2014(ふくねフェス)」が開催された。
温泉旅館の跡取り息子2人の思いをきっかっけに、奥飛騨福地にある12軒の温泉旅館が結束し始まった同フェスは今年で4年目。
前日の大雨から一転、青空の広がる好天に恵まれたこの日は、県内外から約650人が来場。地元の祭りで使うやぐらを舞台にした野外ステージと、いろりのある畳敷きの古民家ステージで、Gotchさん、bonobosなど全18組のアーティストがライブパフォーマンスを繰り広げ、普段は閑静な山あいの温泉地が熱気に包まれた。
今回は地元ゆかりのアーティストも3組出演したほか、若手木工作家8 人によるクラフトブースなど、前回より地域色を打ち出した新しい取り組みも注目を集めた。新バンド「SPACE LIKE CARNIVAL」で出演した谷澤智文さん(飛騨市出身)、DAGFORCEさん(高山市出身)、GAJAGAJA(高山市出身)はフェスを終え、「自分の中にある郷土愛を再認識した。これからも地元を盛り上げる力になれれば」と声を揃える。
高山市から来た30代の男性は「近くに住んでいるが来たのは初めて。福地の温泉にも初めて入った。こんなに良いイベントを今まで逃していたのかと思うと少し後悔。気が早いが、もう今から来年が楽しみ」と話していた。
古民家ステージの大トリを務めたGotchさんは「音も雰囲気も良くてすごく楽しかった。『ふくね』のような地域の多様性が感じられるフェスのスタイルに魅力を感じるアーティストは多いと思う。フェスも新しい時代になってきたのかなと思い、わくわくしている」と話す。ツイッターでは「FUKUNE。片想い観てたら、Gotch Bandで来たかったなぁと。バンド編成羨ましい」(原文ママ)とつぶやいていた。
Bonobosのボーカル・蔡忠浩さんは「みんなあったかくて一体感があって、ますます飛騨が好きになった」。やぐらDJステージで観客を沸かせたサイプレス上野さんは「最高のフェス。プライベートでもまた来たい」と笑顔を見せていた。
主催スタッフの山腰哲也さんは「回を重ねるごとに、飛騨の新たな魅力が伝わっていく手応えを感じる。これからも、ふくねファンと福地温泉の満足度を上げていく取り組みに力を注いでいきたい」と意欲を見せる。