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高山の木工家具メーカーが太陽光発電事業開始-屋上に県下最大級の発電所

「きつつき森の発電所」始動ボタンを押す岡田贊三社長

「きつつき森の発電所」始動ボタンを押す岡田贊三社長

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 高山の木工家具メーカー飛騨産業(高山市漆垣内町)が11月15日、太陽光による発電事業を始めた。同日、本社工場では関係者らによる「火入れ式」が行われた。

「きつつき森の発電所」全景

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 岐阜県下最大規模の「太陽光発電所」となる同施設は、8500平方メートルの本社工場屋上に幅1.6メートル×0.9メートルのソーラー発電パネル2136枚を設置。発電所名は、同社のトレードマーク「キツツキ」にちなみ「きつつき森の発電所」と名付けた。

 敷地内には発電量がリアルタイムで見える表示パネルも。「現在の発電電力」や「累積発電量」のほか、「CO2削減効果」「森林換算面積」などの情報を掲示する。

 最近3日間の試験運転で得られた電力量は、1世帯あたりの使用電力約160日分に相当する1.6メガワットアワー。同社では今後、少なく見積もって年間42万キロワット(電気事業連合会による試算=1世帯3600キロワットアワー/年で一般家庭120世帯分相当)の発電量と年間140トンのCO2削減を目指す。設備投資にかかった費用は電力会社への売電によって減価償却していく方針という。

 同社の岡田贊三社長は「きっかけは3・11以降の意識の変化。原子力や化石燃料を使った電気はもう嫌だと思った。工場でも現在、化石燃料は使わず、廃材の木材だけを使ったボイラーで稼働している。当初は売電せず本社の電気にまかなおうと思ったが、経営と電力の循環を考えて売電することにした」と話す。

 「火入れ式」が行われたこの日、飛騨地方の天候は大雪。「名実ともにゼロからのスタート(笑)。太陽光は実用性の面で不安材料がないこともないが、誰かが使わなければ技術も進歩しないし単価も下がらない。発電機器は日本経済を応援するため、三菱電機中津川製作所のものを使うなど国産メーカーにこだわった」とも。

 「『考えているよりまず今私たちができることをとにかくやっていこう』と思う。その後に次のステップが見えてくるのでは。今後も持続可能でクリーンな自然エネルギーの可能性を追求していきたい。今回の取り組みが社会に広まって大きなうねりとなってくれるきっかけになれば」と期待を込める。

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