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飛騨の正月飾り「花もち」作りが最盛期-「枝花もち」も初出荷

「枝花もち」製作の様子

「枝花もち」製作の様子

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 飛騨各地で現在、正月用の装飾用品「花もち」の製作が最盛期を迎えている。12月4日は、東京・大阪・名古屋など首都圏を中心とした花市場で「枝花もち」の初取引が開始した。

「株花もち」製作の様子

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 「花もち」は木の枝に紅白などの小さなもちを巻きつけたもので、生花の少ない雪国に彩りを添える正月祝いの装飾品として、飛騨地方に古くから伝わる年の瀬の風物詩。小正月が終わると枝からもちを外し、焼きもちや揚げもちにして食べるのが昔の子どもの楽しみだったという。

 現在、飛騨各地の小学校や民家で花もち作りが盛んに行われ、農家では年末に向けて出荷用の花もち作りが最盛期を迎えている。花もちの種類は2種類。山で取れた木の切り株などを使う据え置きタイプの「株花もち」と、枝のみ使う「枝花もち」がある。「枝花もち」は直線の枝を用いたものから、柳の枝を使い上からつるすタイプ、花束のアレンジに人気があるカラー花もちなどさまざま。

 高山市内で農業を営む若林さん宅でもこの日、出荷用の「枝花もち」作りが行われた。梅畑で間伐した枝に、地元女性らが手際よく紅色のもちを巻く。若林さんは「農業の外仕事や漬け物の仕込みがひと段落するこの時期、毎年恒例の大事な冬仕事。花もち作りが始まるといよいよ年末だなという気分になる」とほほ笑む。

 「飛騨の花もち組合」代表の中野俊一さんは「昔からずっと続く飛騨の農家の手仕事。不思議と心和む花もちを街なかで見かけたら、飛騨の文化に想いをはせてほしい」と話す。

 「枝花もち」は10日間ほど乾燥させた後、飛騨内外の生花店、ホームセンター、スーパーなどでも1本100円~数百円で販売される。「株花もち」の本格出荷は今月中旬以降、手のりサイズの小さいものが数百円から、中程度で数千円、大きいものは数万円で販売される。

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