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高山で「歩道の雪またじ運動」始まる-スコップ設置、「善意の雪かき」呼び掛け

「赤いカラーコーン」が目印の除雪用スコップ

「赤いカラーコーン」が目印の除雪用スコップ

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 高山で12月17日、地域住民らに「善意の雪かき」を呼び掛ける「歩道の雪またじ運動」が始まった。同日、飛騨高山高校岡本校舎(高山市下岡本町)では「開始式」が行われた。

「歩道の雪またじ運動」開始式の様子

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 同取り組みは今年で4年目。高山市内の国道交差点にスコップを設置し、生徒児童が通学路として利用する歩道の除雪を利用者や地域住民に手助けしてもらおうというもの。「またじ」とは、飛騨の方言で「片付ける」の意。

 きっかけは飛騨高山高校生徒の提案。高山では積雪シーズン、車道と歩道の境に雪がとどまりやすく横断歩道を渡る際は雪の山を乗り越えなければいけないこともしばしば。高山国道事務所でも歩道除雪を行っているが、車道除雪とのタイミングの関係で朝夕の通学時間帯に合わせての完全な除雪は難しいという。

 改善策として生徒から提案された同取り組みは、国土交通省中部整備局高山国道事務所の呼び掛けで「官・民・学」が連携して2009年からスタート。モニター調査で挙がった意見や実績を基に改善を図り、毎年スコップ設置場所を増設。今年度は高山市内の18地点33カ所に除雪用スコップと目印の「赤いカラーコーン」を設置する。

 開始式では、資材を寄付する高山ライオンズクラブと飛騨三協防災対策協議会など関係団体代表者や飛騨高山高校生徒らが集まり、除雪作業のデモンストレーションなどを行った。モニター委嘱を受けた同校の代表生徒は「個々での取り組み以外にも、学校生徒などで組織だって力を合わせることが大事」と話す。

 高山国道事務所管理第一課長の山下直樹さんは「取り組みは地域住民の間で徐々に浸透しつつあるが、効力を発揮するまでにはまだまだ息の長い活動が必要。回を重ねるごとに思いやりと善意の輪が広がり、『あたたかい雪国飛騨』の取り組みとして大きく発展していってほしい。今シーズンも賛同者の皆さまには、車両通行に注意して一汗流していただければ」と参加を呼び掛ける。

 設置期間は歩道に雪がなくなる来年3月末ごろまでを予定する。

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