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高山・空町で「春の空祭り」-住民有志ら企画、10年ぶりの子どもみこしも

江名子川にはためくこいのぼり。ひもの両端には公園の木と銭湯の煙突

江名子川にはためくこいのぼり。ひもの両端には公園の木と銭湯の煙突

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 高山の「川上別邸史跡公園」(高山市島川原町)周辺で4月27日・28日、「春の空祭り」が開催された。主催は、空町(そらまち)在住の有志らで組織する実行委員会。

10年ぶりの披露となった「子どもみこし」

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 高山市中心市街の高台に位置する「空町」は、現在の宗猷寺町、島川原町など約13町内にわたる住宅地域の呼称。昭和初期からの情緒ある長屋や路地が密集し昔ながらの風情を今に残す。同地域は加速する少子化や空き家などの問題を抱える一方、Iターンなど若手移住者の数が近年増加傾向にある。

 地元民と移住者が新たな交流を図る目的で企画した同イベントは今回が初めて。この日は、地域住民らが雑貨や飲食ブースを出店したほか、「太陽光を利用した独立電源」「バイオディーゼル燃料」の実践者を講師に招いての「自給エネルギー座談会」、音楽ライブ、銭湯の2階広間で「持ち寄り飲み会」などを行った。

 きっかけは、同地域で銭湯を経営する清水祐登さんと、昨年9月に東京から移住してきた阪内大さんによる「花見の計画」から。

 阪内さんは「話を進めるうちに仲間が増えて、さまざまな企画が立ち上がり、最終的に祭りになった(笑)。祭りにはシンボルが必要ということで、清水さんが『そう言えば昔町内にあった子どもみこしはどこにいったのかな』と思い出した」と振り返る。

 みこしは、6年ほど前に解散した町内組織「宗和会」が製作し、10年前まで地域の例祭などで子どもたちが担いでいたもの。早速、記憶を頼りに心当たりを探したところ、近くの神社本殿奥から埃(ほこり)をかぶった状態で発見された。

 当日は、会場に子どもみこしを含む2基のみこしを並べて披露したほか、公園の木と銭湯の煙突をひもで結び、近隣から集めたこいのぼりを飾った。

 清水さんは「こいのぼりもかなり久しぶりの復活。近所に住む年配の方が『懐かしい。にぎやかだったころを思い出す』と喜んでくれた。どちらも昔は当たり前の風景だったが、次第に途絶え忘れ去られていたもの」と話す。阪内さんは「みこしの前に、いつの間にか誰かが持ってきたお酒がお供えしてあった」と目を細める。

 清水さんは「今後もこのような交流の機会をもっと増やし、地域の魅力を再発見しながら新しい町の歴史を作っていければ」と意欲を見せる。

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