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飛騨の「大ヒョウタン」日本一に-高山市の大林さん、初の最高賞に輝く

受賞したヒョウタン作品を前にする大林さん夫妻

受賞したヒョウタン作品を前にする大林さん夫妻

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 高山市国府町の果樹農家・大林繁さんが栽培した大ヒョウタンが6月7日・8日、埼玉県で開かれていたヒョウタンの全国コンテスト「全日本愛瓢会展示会」で最高賞を受賞した。

妻の義子さんも工芸部門で金賞を獲得

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 秋篠宮殿下が名誉総裁を務める全国最大規模のヒョウタン愛好団体「NPO法人 全日本愛瓢会」(埼玉県さいたま市)が主催し、装飾ヒョウタンの大きさや工芸の腕を競う同大会は今年で38回目。会場には「素瓢(すびょう=無装飾)」「装飾瓢」「工芸」など各部門合わせて約400点のヒョウタン作品が日本全国から集まった。

 繁さんが出品したのは、高さ約1.13メートル、胴回り1.69メートル、容量91.7リットルと、高さ1.1メートル、胴回り1.70メートル、容量92.8リットルの「素瓢・大ヒョウタン」一対。受賞した「名誉総裁秋篠宮賞」は、部門問わず全出品作品の中から特に優れた物に贈られるという全国ヒョウタン愛好家憧れの最高賞で、該当者が無い回もあるという。

 繁さんにとって初めてとなる同賞受賞は積年の夢。ヒョウタン作りは今から17年前、愛知県の知人から種をもらったのをきっかけに始めたという。半世紀以上の果樹営農で得たノウハウを駆使して夫婦2人3脚で栽培研究に明け暮れ、10年ほど前から作品を出品。これまでに、長ヒョウタン(2.85メートル、2005年)と大ヒョウタン(胴回り1.65メートル、2010年)で日本記録を打ち立てるなど、最高賞以外の上位賞はほぼ全て総なめにしてきた。

 今回、妻の義子さんも工芸部門で独自の世界観を見せ金賞を獲得。2009年の大会初から数えて3度目となる夫婦ダブル受賞の快挙を果たした。

 繁さんは「夢のまた夢だった賞がいただけて最高にうれしいが、まだまだ改良できる余地があるのでこれで終わりではない」と意欲を見せる。義子さんは「たまに、えらいもんに足を突っ込んだかなと思うけどやればやるほど奥が深く、楽しいのでやめられない」と笑顔を見せる。

 「果樹園の仕事以外に趣味と言えるのはこれ一本。夫婦共通の趣味でとても助かる(笑)。毎日が忙しくて楽しくてぼけている暇もない」と繁さん。「もっとヒョウタン好きの人を増やしたい。品種改良の研究は一人で考えるより大勢で考えたほうが絶対にいい。栽培方法も隠さず教えるので始めたい人がいたら何でも気軽に相談してほしい」とも。大林さん夫妻の元には毎年全国各地から愛瓢家の視察が後を絶たず、昨年は500人ほどが訪れた。

 大林さん宅の通称・ヒョウタン部屋は、交流の度に増え続けるヒョウタン作品のコレクションであふれかえっている。繁さんは「ヒョウタンを見て怒る人はいない。全国の愛瓢家の皆さんもいい人たちばかり。素晴らしいヒョウタンの魅力は尽きることがない」と目を細める。

 今回最高賞を受賞した繁さんのヒョウタンは近日、秋篠宮殿下に献上される予定。

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