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下呂の金物店が「鉄板プレス料理」器具を開発-名前は「オサエちゃん」

新商品の「オサエちゃん」を手にする今井さん

新商品の「オサエちゃん」を手にする今井さん

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 下呂の金物店「昭和屋」(下呂市森、TEL 0576-25-2476)が9月16日、自社開発の鉄板プレス料理用調理器具「オサエちゃん」の店頭販売を始めた。

ベテラン鉄骨職人の野村長次郎さん

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 同社は1926(大正15・昭和元)年創業、今年で87年目を迎える老舗。自社鉄工所で主に鉄骨の柱や梁(はり)など建築用鋼構造物の製造加工や大型の鉄骨工事を請け負う一方、店頭で手作り家庭用金物などの販売も手掛ける。5年ほど前からは、厚さ約4.5ミリ~12ミリの「極厚鉄板」シリーズを展開。地元内外のアウトドア愛好家や主婦、鉄板焼き専門店から人気を集めている。

 「オサエちゃん」は、高さ6.5センチの持ち手が付いた、タテ20センチ、ヨコ15センチ、厚さ9ミリの鉄板。重さは2.3キロ。製作は同社に勤める鋼材加工歴50年のベテラン鉄骨職人・野村長次郎さんが全て一人でまかなっている。面取り、溶接、研磨など随所に見られる仕上げの美しさに職人の技が光る。

 商品ラインアップは角型と丸型で大小2種類の計4種類。価格はそれぞれ、「四角・大」1,800円、「四角・小」1,500円、「丸・大」2,000円、「丸・小」1,800円。

 使い方は、鉄板やホットプレートを使った調理の際、余熱を加えずそのまま食材の上に乗せるだけ。鉄板で挟むため熱の通りがよく調理時間が短縮されるほか、使い勝手のよい大きさと重みで焼き料理のバリエーションが広がるという。

 同社の今井寿子さんは「重さをかけて均一に焼くため、ホットサンドやカリカリベーコンはもちろん、丸まって焼きにくいイカや時間のかかる焼きナスも短時間で上手に焼ける」と話す。

 開発のきっかけは今年5月、極厚鉄板ユーザーからのリクエスト。「バイク旅行の際、外で手早く熱々の料理が食べたい」とコンパクトな極厚鉄板に加え、DVDケースサイズで食材の上に乗せる鉄板の製作依頼を受けたことから。

 ユーザーが製品を使ってみたところ非常に具合がよく、 「今までにありそうでなかった物。万人向けではないが、欲しい人は絶対に欲しいと思う。ぜひ商品化してみては」と太鼓判を押されたという。

 今井さんと野村さんはその後、友人知人にモニターとなってもらい試作品開発を開始。「取っ手が取れたほうが便利」「取っ手が取れると危ない」「家庭用フライパンに会う丸型がいい」――4回のマイナーチェンジと試行錯誤の末、今月初めついに納得のいく完成にこぎ着けた。

 苦心の末生まれた新商品だったが、当初の名称は「肉押さえ」。「それではあまりにも…」という声からモニターに愛称を募集したところ、親しみやすい「オサエちゃん」に決定した。今井さんは「無骨な見た目のせいか男性受けは非常にいい(笑)。ただ、オサエちゃんは家庭料理でも強い味方になるので、ぜひ料理好きの女性にも使ってほしい。今後、世界中のプレス料理愛好家に裾野が広がれば」と期待を寄せる。

 「とは言え、自分で言うのも何だが、謎の多い鉄板プレス料理のアイデアレシピが知りたい」とも。同社では現在、「鉄板プレス料理セット・長次郎(極厚鉄板とオサエちゃん)」を旅に出す「鉄板キャラバン」を展開中。フェイスブックページ「鉄板プレス料理」では同キャラバンの参加モニターが作った料理写真を掲載している。今後も随時参加者を募り同料理法の魅力を紹介していく予定。

 営業時間は8時~17時。日曜定休。「普段は鉄工所にいることが多いので来店される場合は事前に連絡を頂けると助かる」と今井さん。問い合わせは同店(TEL 0576-25-2476)まで。

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