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白川郷で伝統の「どぶろく祭り」-秋晴れの下、できたてのどぶろくに舌鼓

できたてのどぶろくに舌鼓を打つ参拝客たち

できたてのどぶろくに舌鼓を打つ参拝客たち

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 世界遺産・合掌造り集落のある白川村荻町の白川八幡神社で10月14日、「白川郷どぶろく祭り」が行われた。

どぶろく祭りでにぎわう神社境内

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 山の神に豊作の感謝と里の平和を願い、毎年秋に村内5地区の神社で行われる伝統の同祭。始まりは今から約1300年前、奈良に平城京が造られた和銅年間にまでさかのぼるという。所轄警察監視下の境内で村民が参拝客らと地元の米で造った酒(どぶろく)をくみ交わす光景から「天下の奇祭」とも称される。

 爽やかな秋晴れに恵まれたこの日、同村を訪れた観光客は4500人(白川村発表)。村営駐車場に至る道路には他府県ナンバーの乗用車やツアーバスが長い列をなしていた。祭りは午前中、「御神幸」の祭礼行列が村内を練り歩き、15時30分ごろ、神社境内に酒だるが運び込まれ「どぶろくの儀」の神事が執り行われた。

 奉納舞台上では同神社氏子総代会長の板谷克雪さんが祭りのいわれなどを話した後、「どぶろくの振る舞いはいつから始める?」と呼び掛けると、待ちに待った参拝客らが「今でしょ!」と一斉に合いの手を返し、にぎやかに酒宴がスタートした。

 会場では、どぶろくの入った「切立(きったて)」を持ったかっぽう着姿の地元女性会が忙しく駆け回り、ござに座った参拝客が「もう一杯」と差し出す朱盃に真っ白などぶろくが次々と注がれていった。奉納舞台では祝い舞の「春駒(はるこま)」や民謡などの郷土芸能も繰り広げられた。

 しめ縄の張られた酒だるを囲む氏子らは「どぶろくは今年1月から仕込みを始め、一升瓶にして2750本となる4950リットルを醸造した。平均アルコール度数は14.4度。女性にも飲みやすいまろやかな口当たりで甘みと香りが引き立ついい味に仕上がった」と目を細める。同神社の祭りは15日まで。

 どぶろくの味は甘口や辛口など地区の神社によってそれぞれ。村内では今月16日・17日に鳩谷八幡神社、同18日・19日に飯島八幡神社で「どぶろく祭り」が行われる。

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