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「高山エネルギー大作戦」始動へ-公開フォーラムにいとうせいこうさんら

自然エネルギーの活用案を話し合う、いとうさん(右)、藻谷さん(中)、岡田さん

自然エネルギーの活用案を話し合う、いとうさん(右)、藻谷さん(中)、岡田さん

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 高山市民文化会館(高山市昭和町)で1月18日、自然エネルギーを活用したまちづくりプロジェクト「高山エネルギー大作戦」のキックオフ・フォーラムが開催された。主催は高山市。

「GAJAGAJA」の自然エネルギー発電ライブ

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 今年4月からの本格始動を予定する「高山エネルギー大作戦~自然エネルギー利用日本一のまち」がテーマ。同フォーラムに先立ち、音楽家の坂本龍一さんは「電力は今後、その土地ごとに適したエネルギー源を選ぶ時代になっていくのでは」として、同市の提唱する構想を「高山(たかやま)エネルギー」と命名するコメントを寄せた。

 会場にはこの日、高山市内外から450人以上が集まり、これまであまり来場することのなかった若年層の姿も目立った。フォーラム前半は、地域振興研究者の藻谷浩介さんが「里山資本主義と高山エネルギー」と題した講演会を行い、「善意と資源とお金の循環で安心安全を増やす。自然エネルギー利用ははじめから完璧にやろうとするのではなく、できることから少しずつやっていくことが大切」などと話した。

 後半のフリーディスカッションでは、藻谷さんに加え、作家のいとうせいこうさん、ひだ自然エネルギー協議会会長の岡田贊三さんの3人が登壇し、高山市の自然エネルギー活用案が話し合われた。

 その中で岡田さんは、飛騨地域には火山や温泉などの自然エネルギー資源が豊富にあると指摘し、活動を内外に分かりやすくPRする例として、「地域の中心部を流れる川に家庭用の発電水車が回っていてもよいのでは」と提案。いとうさんは「そういった『見える』化をしてほしい。駅前などの目立つ場所にドーンと(自然エネルギーの発電装置が)あったりすることで、メディアも注目し観光活性化にもつながるのでは」と付け加えた。

 このほか、エントランスロビーでは、「太陽光」「地熱」「新次元バイオマス」などのパネル展示、「燃料電池」「人間電池」「鍋発電」など一風変わった電源装置の体験コーナー、森や木にクローズアップしたワークショップ、オーガニック食材のフードコーナー、地元ロックバンド「GAJAGAJA(ガヤガヤ)」が折り畳み太陽光パネル電力を使った「自然エネルギー発電ライブ」を開くなどにぎわいを見せた。

 30代の女性来場者は「今回若い世代が多かったのは、これから始まる市の取り組みに真剣に向き合いたいという期待度の高さの表れだと思う。超高齢化社会に突入した現状の中で、地元に愛着を持ち明るく生きるきっかけを探しに来たのではないか」と話していた。

 高山市では3月末までの毎月1回、広報に「かわら版」を折り込み各種自然エネルギーの紹介に当たるほか、2月1日、8日、9日、22日は同会館会議室で、全国各地から各界の有識者を呼びオープンセミナーを開く。

 3月1日からは「飛騨高山森のエコハウス」(高山市西之一色町)で曜日と連動した「1週間集中講座」を開く。内容は次の通り。土曜=地熱、日曜=太陽光、月曜=風力、火曜=省エネ、水曜=小水力、木曜=バイオマス、金曜=地域通貨・高山エネルギー検定。

 以上、全て参加無料。各セミナーへの申し込み・問い合わせは、同市環境政策推進課(TEL 0577-35-3533)まで。

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