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中国・北京に「飛騨の家具」ショールーム-明代皇帝の食料倉庫を改装

「上座家居設體驗館」外観(写真提供=飛騨産業)

「上座家居設體驗館」外観(写真提供=飛騨産業)

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 「飛騨の家具」ショールーム「上座家居設體驗館(かみざ・かきょせつたいけんかん)皇家糧倉店」が6月15日、中国北京市内にオープンした。経営は「上座国際家居」(同市)。

ショールーム内の様子

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 今から605年前の1409年、中国・明の時代に建設されたという皇帝のための穀物庫「皇家糧倉(こうかりょそう)」を改装した同店。展示面積は約750平方メートル。

 厚さが1メートルほどあるというレンガ造りの壁に囲まれた店内では、飛騨の木工家具メーカー「飛騨産業」(高山市漆垣内町、TEL 0577-32-1004)と「日進木工」(高山市桐生町、TEL 0577-34-1122)が製造する机や椅子、合わせて300点以上を展示販売する。オープン初日には同所で開店セレモニーが開かれ、中国国内で活躍する著名デザイナーをはじめ、報道、政府関係者などが多数出席した。

 「皇家糧倉」は日本の重要文化財に当たる中国の全国重点文物保護単位に指定されており、現存する良好な保存状態の食糧倉庫遺構としては中国国内最大規模という。同建物を管理運営するPOLOARTS社(北京市)は中国最大手のクラッシックレコード会社。

 同建物はこれまで、京劇のルーツとも称される中国古典芸能「崑劇(こんげき)」を上演する劇場とレストランに使われていたが、POLOARTS社の社長が東京出張の際、偶然立ち寄った飛騨産業の東京ショールーム(東京都港区虎ノ門)で飛騨の家具と出合い、デザインや品質、ものづくりの考え方に触れ感動したことをきっかけに新会社を設立。飛騨家具展示専用のショールームに改修した。

 新会社の社名や店名にある「上座(かみざ)」は、日本文化の精神性を象徴する言葉として同社が日本への畏敬の念を込めて付けたものだという。8月中には北京市内にショールーム2号店の出店が決定しているといい、9月に開かれる北京デザインウイークにも飛騨の家具メーカーを招く予定。

 飛騨産業の広報担当者は「中国国内へのショールーム出店は初めてではないが、前回はうまく浸透しなかったため撤退していた。今回多くの交渉を重ねた結果、中国の文化遺産的な建造物に飛騨の家具を展示させていただくことになり光栄に感じている。と同時に、ある種日本代表として身の引き締まる思い」と話す。

 「現在、国家間の関係は決して良好とは言えないが、民間レベルでこうした経済的・文化的交流を行うことは非常に大切なことと国を超えてお互いに考えている。日本からビジネスや観光で北京に行かれる際にはぜひお立ち寄りいただければ」と呼び掛ける。

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