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高山工業高が創立70周年-ロバート・キャンベルさん×挾土秀平さん記念講演

講演会に登壇する挾土秀平さん(左)とロバート・キャンベルさん(右)

講演会に登壇する挾土秀平さん(左)とロバート・キャンベルさん(右)

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 高山市民文化会館(高山市西之一色町)で11月1日、岐阜県立高山工業高校(千島町)創立70周年記念の式典と講演会が開かれる。主催は同校と同校同窓生で組織する実行委員会。

現在の高山工業高校校舎外観

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 同校の創立は太平洋戦争末期の1944(昭和19)年、木製飛行機の製造技術者養成機関「岐阜県高山航空工業学校」として開校した。終戦後は「高山工業学校」に名称変更し、航空機科は木材工芸科、機械科は建築科へと変わり再出発。1948(昭和23)年、高等学校に昇格後、同年8月「斐太高等学校」と統合。1957(昭和32)年、農業科・畜産科・林業科と共に「斐太実業高等学校」創立の後、1973(昭和48)年に農・工分離により現在の形となった。

 当日は、同校建築科の昭和55年度卒業生で「職人社秀平組」(高山市松之木町)社長の左官技能士・挾土秀平さんと、日本文学研究者で東京大学大学院教授のロバート・キャンベルさんを招き、「高山工業が生んだ飛騨のものづくり」をテーマに対談形式の講演会を行う。

 挾土さんは。1983(昭和58)年、技能五輪全国大会左官部門で優勝。翌年、国際技能競技大会出場。現在、飛騨を拠点に国内外の現場を飛び回り、近代建築物や個人住宅の壁塗り、日本の伝統的な土蔵や茶室の修復などを手掛ける一方、「土」をベースに自然に還るものだけを使った空間や作品などの発表も精力的に行っている。

 2008年3月にはNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」第8回放送に出演し全国の茶の間にもその名が知られるようになり、同9月に出版した挾土さん自身の半生をつづった著書「のたうつ者」(毎日新聞社刊)には、ビートたけしさんが「土と水と魂と感性と混ぜて仕上げる職人を見たよ」との書評を寄せている。2012年は「土のソムリエ」として日産自動車のカレンダーとコラボした。

 ロバート・キャンベルさんは、近世・近代日本文学が専門で、特に19世紀(江戸末期~明治後半)日本の漢文学を中心とした関連文化に造詣(ぞうけい)が深く、各種メディアのコメンテーターなどでも活躍している。挾土さんとも親交が深いため今回一緒に登壇することとなった。

 同校の高木喜弘校長は「飛騨の匠(たくみ)の技と心を未来とつなぐのが当校に課せられた使命だと日々反すうしている。これからさらに少子高齢化が進む逆境の中においても、地場産業を支える若い担い手の育成に力を入れていきたい。講演当日は、ものづくりの現場で意識レベルの高いクオリティーの追求に執念を燃やす地元の先輩の生きざまを目に焼き付け、今を生きる匠の心を感じ取ってもらえれば」と来場を呼び掛ける。

 10時35分開場、11時開演。一般視聴可。入場無料。

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