高山市内各所で1月5日、市消防団10支団の消防出初め式が行われた。
零下に冷え込んだ朝霧の中、高山支団(旧高山市地域)の会場となった高山市立西小学校(総和町)には、はっぴ姿に身を包んだ団員と礼服姿の消防職員ら約400人が集まった。
功労者表彰や江戸時代から続く閲団(えつだん)式の後、団員たちは高山伝統の特殊訓練「入れ替え」「舞い込み」「巻き込み」を行った。半鐘とラッパの音が鳴り響く中、グラウンド中央に備えたまといに向かって、隊列を組んで威勢の良い掛け声と共に息の合った駆け足訓練を披露し、士気を高め合った。
その後、市街地を分列行進したほか、市中心部を流れる宮川の沿道に、はしご車など消防車両25台をずらりと並べ、岸から赤・青・黄など5色の色水を雪の積もった河原に向かって吹き上げる一斉放水を行った。
観覧に訪れていた市内在住の60代夫婦は「出初め式を見ると、いよいよ一年が始まるなと正月気分が少し抜けて気の引き締まる思いがする。今年も防災意識を忘れないよう心掛け、生死に関わる災害が1件でも減ることを祈りたい」と話していた。
高山市消防本部によると、同管内で起きた昨年の出火件数は28件(前年比14件減少)。うち建物が15件で、車両が4件、その他9件、火災による死傷者は2人(前年比3人減少)、全体の損害額は4,256万4,000円だった。