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斐太高、悲願の甲子園初出場ならず 「感動をありがとう」「飛騨の誇り」地元の声

斐太高ナインの一挙手一投足に熱い視線とエールを送る地元民ら(高山市庁舎パブリックビューイングで)

斐太高ナインの一挙手一投足に熱い視線とエールを送る地元民ら(高山市庁舎パブリックビューイングで)

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 長良川球場(岐阜市長良福光)で7月25日、全国高校野球岐阜大会決勝戦が行われ、県立斐太(ひだ)高校(高山市三福寺町)と県立岐阜城北高校(岐阜市三田洞)が対戦した。試合は7対3で岐阜城北が勝利し14年ぶり3度目となる夏の甲子園出場を決めた。

 互いにノーシードから勝ち上がった両校の力と力がぶつかった決勝戦。斐太高は、飛騨地域の高校野球史上初となる甲子園出場の夢を胸に県大会最後の試合に臨んだ。結果、甲子園初出場の夢はかなわなかったが、相手打線を上回るヒット数で8回まで毎回ランナーを出す健闘ぶりを見せ、堂々の準優勝を飾った。

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 高山市ではこの日、市内10カ所でパブリックビューイングを実施。高山市本庁舎の会場には約100人が応援に集まり、「今日は朝から(斐太高の試合で)頭がいっぱい。何も手につかない」と口々に話す地元民たちが、固唾(かたず)をのんで試合の行方を見守った。

 斐太高ではバス17台をチャーターし生徒約700人が現地入り。長良川球場によるこの日の入場者数は約8000人。飛騨から駆け付けた大応援団が3塁側を中心に内野応援席を埋め尽くし、急きょ外野席も解放された。「ここ数年では記憶にない」(同球場関係者)という。

 今大会で名バッテリーとして名をはせた斐太高根尾投手と布俣捕手の地元・飛騨市でも、100人収容の「文化交流センター」(飛騨市古川町)小ホールを開放してパブリックビューイングを行うなど、飛騨地域は斐太高応援一色の1日となった。

 13時から始まった試合は斐太の攻撃から、開始直後の1回、タイムリー二塁打で1点を先取し、斐太の応援スタンドは大きなどよめきと歓声に包まれた。さい先のよいスタートを切ったかに見えた同裏、岐阜城北も1点を返し同点に並ぶと、試合が大きく動いた3回裏、これまで堅い守りを続けてきた斐太の守備が乱れ岐阜城北に一挙4点を奪われる。斐太はその後4回に満塁のチャンスで1点を返したが、岐阜城北も同裏に1得点。試合は4点差のまま終盤戦にもつれ込んだ。

 7回表、斐太はノーアウト満塁の大チャンス。今試合最大の山場を迎えたが、岐阜城北エース鷲見の緩急つけたピッチングに翻弄され1点を返すもおよばず。同裏、岐阜城北に1点を許した所で斐太は今試合127球、県大会通算869球を投げ抜いたエースピッチャー根尾を守備に下げ、左腕の江間がリリーフ登板した。江間は相手打線をヒット1本に抑える好投で最後まで相手に得点を与えなかった。

 岐阜市で気温34.5度、高山市でも35度と猛暑の中行われた同試合、2時間30分におよぶ熱戦は岐阜城北に軍配が上がり、両校の健闘をたたえる大きな拍手に包まれながら飛騨の長くて熱い1日は幕を閉じた。

 観戦を終えた地元民たちは「本当におつかれさま。夢と感動をありがとう」「よくやった。飛騨の誇り」「いつかまた、近い将来、飛騨の高校球児が甲子園に行く日が来ると確信した。それまで長生きしたい」などと話しながら、皆清々しい表情で会場を後にしていた。