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飛騨清見の「男石」、ついに結婚-発見から20年、晴れて「夫婦石」に

「男石」と「女石」

「男石」と「女石」

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 飛騨清見の牧ヶ洞神社(高山市清見町)で12月29日、「御縁石(ごえんせき)」の御霊(みたま)入れが行われる。「御縁石」は「男石」と「女石」から成る自然石で、「女石」は今年発見された。「男石」は20年前に発見、以来ずっと独身を貫いてきた。この年の瀬、2つの石は晴れて「夫婦石」となる。

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 「男石」は高さ約1メートル、幅約1メートル60センチの自然石。同神社で宮司を務める古川正さんが1991年ごろ、所有する山林で発見した。古川さんはその後、対になる「女石」を探したが適当なものが見つからず、以来20年間、ずっと「男石」の「お嫁さん」を探していた。「男やもめにコケが生えてきた『男石』がふびんだった」と古川さん。

 しかし、今年9月12日、ついに「女石」を発見した。場所は「男石」から100メートルほど離れた河原。「『ここにいる』と夢のお告げがあった」と古川さん。「今まで何百回も通っていた場所なのに全然気付かなかった。ずっとあちこち探し回っていたが、大切な人は実はすぐそばにいた」と感慨深げに語る。「女石」の大きさは高さ約80センチ、幅約1メートル20センチ。

 その後、地元町内会長や氏子総代らから、「立派なものだから神社に奉納してはどうか」との話が持ち上がり、11月19日、同神社の参道にお目見えした。まだ「婚約状態」だという2つの石は12月29日、結婚の儀にあたる「御霊入れ」を執り行い、晴れて「夫婦石」になるという。

 「つらいニュースの多かった今年だが、最後を締めくくる年の瀬にこんなニュースでほっこりしてもらえれば」と古川さん。「この『御縁石』は新米夫婦だが、少子化が叫ばれるこの時代、『子宝や縁結びの神様』として、これからきっと多くの人を幸せしていってくれるはず。独身男性にも御利益があるのでは」と話す。

 「御霊入れ」は12月29日、大祓(おおばらえ)式の後、執り行う予定。「御縁石」は、しめ縄を張って新年の初詣客に備える。

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