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高山で「飾り物」展-飛騨高山伝統の大人の知恵比べ遊び

じっくりと見立てに興じる来場者ら

じっくりと見立てに興じる来場者ら

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 JR高山駅裏にある高山市民文化会館(高山市昭和町、TEL 0577-33-8333)で現在、「飾り物展」が開催されている。

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 飛騨高山で「飾り物」といえば「高尚な大人の遊び」というイメージがある。住宅事情の変化により今ではほとんど見かけないが、何か祝い事のある際に民家の軒先では、出格子を外し、緋毛氈(ひもうせん)を敷き、銀びょうぶを立てて「飾り物」を展示する。

 「飾り物」にはルールがある。まず、大工道具や酒器など、なるべく同系統一種類の道具や日用品でまとめること。加工や細工はしないこと。高価でなく、豪華でなく、品があり、古くてもきれいな道具を使うこと。出物なら一つでも良いが、できれば2つ以上の道具を組み合わせると良い、など。本物に似せた「作り物」、とんちの利いた「判じ物」、イメージを表現した「見立て物」の3種類の飾り方がある。

 「飾り物」文化の継承と発展を願って、1992年から始まった同展は今年で21回目。高山市民を対象に、「干支」と皇居の「歌会始」という2つの「お題」から作品を募り、出展作品の中から1位~3位にあたる「天・地・人」位や佳作などを決定する。今年の「お題」は「辰」と「岸」で、73点を展示する。

 同展について、審査員は「全体的にレベルアップが見られ、世相を反映するテーマも組み込んだ作品が見られた。女性の参加も増え将来が期待される」と評し、「若い飾り手が非常に少ないので、今後は若年層が気軽に参加できるような部門も検討していきたい」と話す。

 「いつも何を見ても気が付くと飾り物の事を考えている。今日からまた一年楽しく考えたい。面白いので若い人も興味を持ってどんどんやってみては」とベテラン出品者の男性。同会場では来年の「お題」、「巳」と「立」も発表され、飾り手らは来年に向けて一年間、粋な遊びに興じる。

 開催時間は9時~19時(最終日は16時まで)。1月15日まで。

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