高山市内の指定緊急避難場所周辺で5月、災害などで電源を喪失した時でも飲料や電力の供給が受けられる緊急時解放備蓄型自動販売機の導入が始まった。設置は駄菓子製造や自販機代理店業を手掛ける打保屋(高山市久々野町、TEL 0577-52-2166)。
同自販機は機械機器メーカーのサンデン(群馬県伊勢崎市)が開発した「非常時ライフラインベンダーユニット(愛称=エネレンジャー)」を搭載。通常時は普通の自販機として機能するが、ライフライン断絶時には自販機前面のカバーを外し、手回しハンドルを数十回回すことで自家発電装置が起動し本体に残っている飲み物が無料で取り出せる。
ユニット下部には5ボルトのUSB端子や100ボルトのコンセントなどを格納。携帯電話やパソコン、家庭用電気機器の非常用充電装置として使える。無電源時以外は起動しないストッパー機能も備える。
打保屋によると、先日、高山市内で保護シールをはがしユニットカバーを開けようとした心無いいたずらが発生したという。「非常時にみんなが困るだけでなく、れっきとした窃盗罪に問われる行為。自分の人生を破滅に導くことになるので、絶対にやめてほしい」と呼び掛ける。
現在、同社が飛騨地域に設置した災害時救援自販機は高山市に4台(自家発電タイプ)、下呂市に3台(自家発電なし蓄電池タイプ)の計7台。今後も道の駅や公民館、市営駐車場など公共の緊急避難所周辺を中心に設置箇所を増やしていく予定。同自販機に関心のある企業や個人オーナーも募集している。問い合わせは同社まで。