高山市内の銭湯で「菖蒲(しょうぶ)湯の日」の6月5日と6日の両日、飛騨酪農農業協同組合(飛騨牛乳)とのコラボ企画「牛乳飲み比べ」が行われる。
月遅れの旧暦で祝う飛騨地方の端午の節句に合わせて開く「菖蒲湯の日」は、束にしたショウブとヨモギを湯船に浮かべる、高山の銭湯で昔から行われている年中行事。
日本で2008年から始まった6月の「牛乳月間」にちなみ、銭湯利用客に地元産牛乳をPRする同企画は今年で3回目。飛騨広域29戸の酪農生産農家らで組織する飛騨牛乳が、湯上りにつきものの牛乳に親しんでもらおうと企画した。
当日は、低温殺菌により生乳本来の風味が味わえるという「パスチャライズ牛乳」と、搾りたて生乳97%に生クリームなどを加えた加工乳「濃いんやさぁ~」の2種類を1人コップ1杯ずつ無料提供する。
参加銭湯は、高山市公衆浴場組合に加盟する「稲荷湯ゆうとぴあ」(八軒町)、「鷹の湯」(宗猶寺町)、「天満湯」(天満町)、「中橋湯」(片原町)、「桃の湯」(朝日町)の5軒。
同組合長の清水裕登さんは「高山市では昔ながらの銭湯が一昨年と昨年、立て続けに3軒廃業した。主な原因は、経営者の高齢化に伴う後継者不足と設備が故障しても追加投資できない経済的課題によるもの。とは言え、最近では銭湯関連映画のヒットなどにより、若い人の間でも価値が見直されつつある。銭湯の魅力をもっと知ってもらえるよう私たちも知恵を絞りたい」と意欲を見せる。
「菖蒲湯は邪気を払い、ショウブ(勝負)に勝つといわれる縁起物。風呂上りに銭湯で飲む飛騨の牛乳のおいしさもまた格別。初夏の季節感を感じてもらいながら一度で二度おいしいこの機会に、ぜひたくさんの人に足を運んでいただければ」と利用を呼び掛ける。
料金は、大人(中学生以上)=420円、中人(小学生)=150円、小人(乳幼児)=70円。営業時間は各銭湯により異なるが、おおむね15時~21時。