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飛騨市で「田んぼの学校」-宮川小児童らが農業水路の生き物調査

実際に身の回りにいるという魚の姿に見入る児童たち

実際に身の回りにいるという魚の姿に見入る児童たち

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 飛騨市宮川町塩屋の水田近くで7月2日、出前授業「ぎふ田んぼの学校~塩屋用排水路の生き物調査」が行なわれた。

田んぼ周辺の生き物捕獲に挑む児童たち

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 地域の将来を担う子どもたちに、郷土の農業と農村環境の大切さを知ってもらおうと、岐阜県が2011年度から県内各地域で展開する「ぎふ田んぼの学校」事業の一環。宮川町地区での実施は今回が初めて。

 この日は、宮川小学校に通う5年生と6年生の児童合わせて11人が参加。タモ網を片手に長ぐつ履きで地元の水田脇の水路に集まった児童たちは、県水産研究所下呂支所の研究員たちのアドバイスに耳を傾けながら、生き物調査を開始した。

 草の茂みに覆われた水路に網を差し込みすくう作業を20分ほど繰り返すと、アカベラ(イモリ)約50匹をはじめ、オタマジャクシ、タニシ、カワニナ、トンボのヤゴなどが次々と捕れ、合わせて200匹以上になった。

 児童たちはその後、捕獲した生き物たちと共に近くの公民館に場所を移すと、同研究所主任研究員の岸大弼さんから、飛騨に住む川魚の分類の見分け方や、研究所手製の水路実験装置を使ってカジカやヨシノボリが何度の傾斜角まで耐えられるかなどを調べ、自分たちの身の回りに現在いる生き物の生態を詳しく学んだ。

 授業の最後は、同地内の「飛騨みやがわ考古民俗館」で、飛騨市教育委員会の立田住美さんから地元の田んぼで昔実際に使っていた農耕具を交え、先人の苦労や飛騨の農耕具の歴史などの話を聞いた。

 児童たちは「実験の魚がかわいくて面白かった」「似ている魚の見分け方がよく分かった。今度釣り遊びをする時にもう一度、じっくり見てみたい」「アカベラが身近にあんなにたくさんいるなんて思わなかった。ご先祖さまが守ってきた田んぼの大切さがよく分かった」などと話していた。

 研究員の岸さんは「この辺りは普段から自然の生き物に接している子どもが多いせいか、魚の写真を見せただけで的確な答えがすぐに返ってくるなど、学習の飲み込みが早くて驚いた。大人になっても今日の体験を忘れず、郷土の暮らしに愛着を持ち続けてもらえれば」と笑顔を見せる。

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