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高山の山桜神社で「絵馬市」-夏の風物詩、来月に向け準備着々

役割分担で「紙絵馬」を次々と仕上げていく商店街の組合員たち

役割分担で「紙絵馬」を次々と仕上げていく商店街の組合員たち

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 高山の本町2丁目商店街通りにある神社「山桜神社」(高山市本町2)で現在、来月1日から開かれる恒例の「馬頭(ばとう)の絵馬市(えまいち)」へ向けた「紙絵馬(かみえま)」の準備作業が大詰めを迎えている。

山桜神社

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 同商店街51軒の組合員71人で組織する「高山本町会商店街振興組合」が毎年行っている同市は、戦後から続く高山の夏の風物詩。ここ数日、同組合のメンバーらは社務所に集まり、馬の下絵描きや色塗り工程など役割を分担しながら紙絵馬の製作作業に精を出している。

 いわれは1657(明暦3)年、江戸大火(振袖火事)の際、炎上する江戸城中にあった主君の下に駆け付け、危急を救ったと伝えられる飛騨国高山城主・金森頼直の愛馬「山桜」の厩舎(きゅうしゃ)が同地にあった史実にちなむ。

 山桜の死後は、厩舎跡地に農耕と厄除けの神として「馬頭観音」を祭った神社を建立。以来、高山では現在に至るまで、8月の縁日に山桜号をしのび、「牛馬安全」「養蚕安全」「家内安全」「商売繁盛」「火の用心」「交通安全」「百寿百福」などを祈願した山桜号の紙絵馬を毎年買い求め、自宅玄関入り口の壁に貼るという風習が続いている。

 同縁日は毎年8月1日から15日までの15日間、同神社をはじめ、高山市内の松倉観音や八軒町など市内各所で「絵馬市」を開く。期間中は、1,000円を「一千万両」、1万円を「一億万両」と呼ぶ「松倉相場(まつくらそうば)」という独特の勘定(かんじょう)方法で絵馬が取引される。

 現在、同商店街で茶と茶道具専門店を営み、同組合理事長を務める松野裕さんは「紙絵馬の製作に携わり早いもので25年になる。近年は県外のみならず、海外のお客さまも多くうれしい。今年は消費税が増税したが絵馬の値段はこれまで通り据え置き。値上げはしない。今夏もぜひ多くの方にお買い求めいただければ」と話す。

 同神社の紙絵馬の販売価格は、大1枚=3,500円、中1枚=2,500円、小1枚=1,500円。各絵馬には、家名や企業の商号などを買ったその場で書き加える。事前申し込みで紙の大きさなどカスタム注文にも応じる。

 同絵馬はネット通販も行っている。詳しくは「馬頭の絵馬市」ホームページで確認できる。

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