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高山でドキュメンタリー映画上映会-「幻のフィルム」、40年前の飛騨観光映画も

幻の16ミリフィルムを手にする宮崎さん

幻の16ミリフィルムを手にする宮崎さん

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 高山駅近くのギャラリーカフェ「サンアート高山」(高山市花里町、TEL 0577-35-0536)で10月11日から、ドキュメンタリー映画上映会「高山を視(み)る」が始まる。主催は「高山・ドキュメンタリー映画を上映する会」。

飛騨春慶バイオリン製作風景を追う宮崎さん

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 高山市が昨年度初開催した「飛騨高山文化芸術祭こだま~れ」で記録映像撮影を担当した映像カメラマンの宮崎政記さんが開く同会。

 宮崎さんは同市在住の63歳。映像ディレクターとしてこれまで数多くのテレビ番組や政府広報VP制作に携わり、ドキュメンタリー映画監督としても劇場公開作品を手掛けてきた。代表作は、「2年あい組」(1987年、95分、日本動物愛護協会賞)、「こどもたちの時間」(1994年、80分、キネマ旬報文化映画ベスト10入り)、「よいお年を」(1997年、85分、同)など。

 今回は、1971~72(昭和46~47)年に飛騨観光協議会の依頼で高山文化映画新社(共に現存せず)が製作した飛騨の観光映画4本と、宮崎さんが製作した「こだま~れ」記録映画2本を日替わりプログラムで上映する。

 宮崎さんによると、観光映画4本はいずれも16ミリフィルムによる13分の短編作品で、全国のフィルムコレクターの間で存在がささやかれていたものの長年行方が分からず、3年ほど前とあるコレクターにより発掘された「幻の記録映画」という。

 「今となっては地元民でも、この映画の存在自体知らない人も多いのでは。下呂・古川・神岡の祭り風景、高山の祭り料理、馬瀬川のアユ掛け、御岳登山客でにぎわう小坂駅、鈴蘭高原のゴルフ、奥飛騨栃尾の蒲田キャンプ場、一之宮の宮笠作り、千光寺、鍾乳洞、乗鞍岳、新穂高…40数年前の飛騨地方と高山の貴重映像がめじろ押し」と宮崎さん。

 こだま~れ映画は今回が一般初公開となる。作品内訳は、春慶バイオリン製作に挑む春慶塗師の苦悩を描く「こだま~れ2013 挑む~飛騨春慶の記憶~」(29分)と、300を超える実行プログラムの中から市民プロジェクトなど約20企画を抜粋した「こだま~れ2013 第一回飛騨高山文化芸術祭の記録」(53分)。

 各映画の上映スケジュールは次の通り。プログラムA「飛騨の春」「春の高山祭」「挑む~飛騨春慶の記憶~」=10月11日・14日・17日・20日・23日・26日。同B「飛騨の夏」「飛騨の夏山」「挑む~飛騨春慶の記憶~」=10月12日・15日・18日・21日・24日。同C「第一回飛騨高山文化芸術祭の記録」「挑む~飛騨春慶の記憶~」=10月13日・16日・19日・21日・25日。

 「経済発展、科学の進歩、変化する文化、40年間の時代の流れを映像から感じ取り、自分史の1ページに加えてもらえれば。いずれの映画も、飛騨で暮らす人々にスポットを当てた構成となっているので、かつての自分や肉親、友人・知人など懐かしい顔に出会えるかもしれない。もし映像の中に知り合いを見付けたら、『おい、おまえ出てたぞ』と本人に伝えてほしい。子どもから大人まで多くの人に足を運んでいただければ」と来場を呼び掛ける。

 上映時間は各日19時~。上映前に10分ほどの映画解説がある。入場無料(ただし、600円のイベントカフェメニュー要注文、会活動費カンパ受付別途)。10月26日まで。

 同会では現在、まだどこかに眠っている飛騨の観光映画として「飛騨のいで湯」「飛騨の工芸」「飛騨の味覚」のほか、春と夏が見つかったことから「飛騨の秋」「飛騨の冬」の行方も追っている。製作年はいずれも1971~72(昭和46~47)年。情報提供は同会事務局(宮崎さんTEL 080-1257-9639)まで。

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