高山市学校給食本郷センター(高山市上宝町本郷)の栄養教諭・高澤和代さんの考案した給食献立が10月26日、郷土食材を生かした自慢の給食を競う「全国学校給食甲子園」の決勝大会に駒を進めた。
NPO法人21世紀構想研究会(東京都中央区)が、全国の小中学校や給食調理施設を対象に毎年開いている同コンテストは今年で9回目。高澤さんは、全国2157件の応募の中から書類審査による4次予選までを勝ち抜き、12施設のうちの中部ブロック代表に選ばれた。
高澤さんはこれまでも、飛騨各所の給食センターで勤務地の風土にちなんだ献立を考案して応募。5度目の挑戦となる今回、飛騨地方の給食施設で初めてという決勝進出の栄誉を射止めた。「事務局からの知らせを聞いた時は驚いた」と話す。
献立は飛騨ならではの食材をふんだんに使い、栄養価もバランスよく配置。「こも豆腐の朴葉(ほおば)みそ焼き」をメーンに、寒干し大根やすくなカボチャを使ったみそ仕立ての「寒干しすくな汁」、彩り鮮やかな「赤カブサラダ」、デザートには「ひだリンゴ」を添える。11月20日には本郷小と栃尾小の給食に出す予定という。
「最近では学校給食でも郷土料理に親しむ機会が次第に少なくなっている。子どもたちには地味に感じる献立かもしれないが、飛騨で昔から食べられている食材の存在とふるさとの味を子どもたちに伝えることも私たちの役目」と高澤さん。
決勝大会は12月6日・7日、女子栄養大学駒込キャンパス(東京都豊島区)で開かれ、60分以内に6人分の給食献立を実際に調理し、調理過程や食味審査で優勝などを決定する。
高澤さんは「全国に飛騨の食材と料理の良さをアピールしたい。普段食材を頂いている地元農家の皆さまにも恩返しできれば」と意気込む。