高山陣屋前広場(高山市八軒町)で12月27日、正月用品を販売する師走の風物詩「年の瀬市」が始まった。
初日のこの日は、厳しい寒さの中、朝7時から20軒ほどの地元農家の店が軒を連ねた。店先には、それぞれ趣向を凝らした手作りの「しめ縄」、飛騨の正月飾りの「花もち」、正月用にアレンジされた神花や仏花、松飾りに使う松の枝、鏡もちといった正月用品のほか、漬物、みそ、野菜、果物などがずらりと並び、年の瀬にふさわしい華やかな空気に包まれた。
普段は正午で店じまいをする朝市もこの期間中は夕方近くまで営業を続けるとあって、慌ただしい年の瀬に、ゆっくりと商品を品定めする地元客や観光客でにぎわいを見せた。しめ縄を売る店主の話によると、1,000円~2,000円の家庭用の品がよく売れるという。
この日、高山市内の保育園から園児たちを連れて見学に訪れていた保育士の女性2人も、しめ縄と松の枝を購入。「園児たちに高山の伝統的な年の瀬の空気を味わってもらおうと、毎年この時期にここに来ている。園に帰ったらみんなで一緒に松飾りを楽しみます」と笑顔を見せた。
営業時間は7時~15時。販売は大みそかの夕方まで毎日行われる。