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高山の若者2人、まちおこし企画始動へ-祝い唄「めでた」勉強会

講師の井本俊さん(中央奥)から「めでた」を学ぶ参加者たち

講師の井本俊さん(中央奥)から「めでた」を学ぶ参加者たち

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 高山市丹生川町で3月15日、20代の地元男性2人が若者を主体に高山の文化継承を目指す企画団体「M SOUL BROTHERS」を立ち上げ、飛騨の祝い唄「めでた」を学ぶ勉強会を開いた。

賛同メンバーを呼び掛ける2人

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 「めでた」は、飛騨の宴会や祝い事の席上で参加者全員が唱和する習わしの祝い唄で、「めでたが出るまでは自席を離れてはいけない」などのしきたりがある。

 「M SOUL BROTHERS」の頭文字「M」は、「めでた」と「まちおこし」から。立ち上げメンバーの井本俊介さんと中西健太さんは「堅苦しい団体にはしたくない。楽しくかっこよく、基礎はしっかりと、飛騨人としての誇りと文化を継承していけたら」と話す。

 高校まで同級生の2人は。それぞれ都市部でサラリーマン生活を送っていたが、家業を継ぐために中西さんが3年前、井本さんが半年前にUターンした。「一度故郷から離れたことで、当たり前に感じていためでたなどの風習が興味深く大切な文化だったことに気付いた」と声をそろえる。

 地元に帰ると、同世代の地域文化への関心の薄さが気に掛かるようになった。特に若者の「めでた離れ」が進んでいると感じた。「自分も歌えない。このままでは自分たちの世代でめでたが途絶えてしまう。何かできないか」と話し合い、勉強会を企画した。

 「めでた兄弟」と銘打ったこの日の勉強会には、30代を中心に男女22人が参加。講師を務めた井本さんの祖父の俊(たかし)さんから、独特の節回しや発声のコツ、昔のエピソードやしきたりなどを学んだ。 最後に全員の仕上げ合唱を聞いた俊さんは「すごい。一晩でこれだけ歌えるようになれば上等」と目を細めた。

 参加者の一人は「ここだけの話、今まで口パクでひやひやしながら合わせていたので、次から少しは自信を持って歌える」と笑顔を見せた。下呂から来たという男性は「今では途絶えてしまったが、昔は地元の萩原町にも萩原めでたがあったと聞く。それがどんな歌詞と節回しだったのか、知りたい気持ちを揺さぶられた」と話していた。

 今後も月1回ペースを目標に同様の勉強会を開きながら、フェイスブックやユーチューブなどを使って活動を広く発信していく予定。現在メンバーも募集している。国籍不問、飛騨の将来を考える人なら誰でも参加可。問い合わせはメール(m.soul.brothers1@gmail.com)で受け付けている。

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