見る・遊ぶ 暮らす・働く 学ぶ・知る

高山で木製メーンの「根付」展-国内コレクションのみズラリ160点

松田亮長作「手長の曲芸」 (写真提供=高円宮妃久子殿下)

松田亮長作「手長の曲芸」 (写真提供=高円宮妃久子殿下)

  • 0

  •  

 飛騨高山まちの博物館(高山市上一之町)で3月15日より、木製の古根付のみを集めた展覧会「手のひらの美 飛騨の根付展」が開催される。「木」がテーマの「飛騨高山文化芸術祭こだま~れ2013」イベントの一環。

[広告]

 根付は、木や動物の骨などさまざまな材質で作られる飾りにひもを付けて印籠やたばこ入れ、腰帯につるすなど現代の携帯ストラップにも通ずる留(と)め具。

 同展では、世界屈指の根付コレクターとして知られる故・高円宮憲仁親王のコレクションから11点と、高山市在住の市民が持ち寄ったコレクション合わせて約160点を展示する。

 作品は、江戸末期に活躍した高山出身の根付彫り師・平田亮朝をはじめ、飛騨高山の伝統工芸「一位一刀彫」の祖といわれる松田亮長らの技を受け継いだ「亮派」と呼ばれる名工たちの木彫り古根付がメーン。

 同展スタッフによれば、根付の名品と呼ばれる物の多くは明治期に海外へと流出しており、国内外の根付展では現在海外コレクターの出品が不可欠な状況になっているという。「国内コレクションのみで構成された根付展自体が非常にまれなケースの中、木製に特化した市民のコレクションでこれほど大規模の展示会は世界初」と話す。

 「飛騨高山になぜ今も多くの根付が残っているのかは、地の不利から海外へ流出する機会が少なかったと考えられるほか、春と秋の祭りに各家の男衆が裃(かみしも)を着て印籠や根付をさげる習慣が現代まで続いていることが大きい。地元民の暮らしの中に息づいた文化として残っている根付を、この機会に多くの方にご覧いただければ」と来場を呼び掛ける。

 開催時間は9時~19時。3月30日まで。入場無料。22日・23日には「根付シンポジウム」も開く(要申し込み)。問い合わせは、高山市民=こだま~れ実行委員会事務局(TEL 0577-35-3155)、市民以外=国際根付ソサエティ日本支部(TEL 03-3352-6286)まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース