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飛騨で「米・食味コン」国際大会 過去最多5717検体、地元勢が金賞最多記録更新

次々と運び込まれるコメを手に官能審査を行う審査員たち

次々と運び込まれるコメを手に官能審査を行う審査員たち

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 世界に通用するおいしいコメの味を競う国内最大規模の品評会「米・食味分析鑑定コンクール国際大会in飛騨」が11月26日・27日、高山市民文化会館(高山市昭和町)で開催された。主催は米・食味鑑定士協会(大阪市淀川区)。

出品米全5717検体がズラリと並ぶ特設会場

 生産者が愛情込めて育てた自慢のコメを出品し、計測機器による数値と人の味覚でその年の「おいしいコメ」を決める同大会。岐阜県での開催は初めて。

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 第20回記念大会の節目となった今年は、豪雨や猛暑、台風被害の影響が心配されたものの、国内外から過去最多となる5717検体(国内=5691検体、海外=26検体)がエントリーした。

 「ふるさとのお米、その一粒のために」をテーマに掲げ、2日間にわたって展開した今大会には、1次審査・2次審査(国内コメ関連農機メーカーによる食味値・整粒値・味度値の機械計測審査)を通過し特別優秀賞を獲得した11部門131の団体・企業・個人をはじめ、稲作を授業に取り入れている学校の児童生徒、全国の業界関係者などが一堂に集まった。部門全体の品評審査会は最終選考にノミネートされた全国145検体のうち岐阜県内から39検体、うち37検体が飛騨エリアから選ばれた。

 メイン企画となる、特別優秀賞受賞米の中から金賞米を決める最終審査(官能審査)はステージ上で一般公開され、米・食味分析鑑定士、地元宿泊業者、営農関係者など30人が審査員を務めた。審査員たちは産地や生産者が分からないようパッケージされたコメを次々と口に運び、粒の色つやや大きさ、香りや甘みなどを真剣な表情で確かめながら、部門別に1人5票を振り分けて投票。得票数により金賞を決めた。

 最も注目の集まる「国際総合部門」は今年、全国45検体のうち飛騨勢が20検体を占め、10検体がエントリーし全国トップの入賞数を誇った昨年の19回大会を倍増で上回る快挙を果たした。一方、過去の大会では20検体を最終審査に進めながら金賞3検体に終わった他県の事例もあるため、楽観視できない状況の中、会場では応援に駆け付けた地元民たちが審査員の挙動に熱い視線を送っていた。

 結果は、国際総合部門で飛騨のコメ12検体が金賞(うち2検体が同率で最多得票)に輝き、これまでの最高記録を塗り替えた。栽培別部門(若手農業経営者の部)でも飛騨勢が金賞に輝いたほか、全国46都道府県の代表米を審査する「都道府県代表お米選手権」で岐阜県代表の「和仁農園」(高山市)が金賞を受賞。小学校部門では飛騨3市から4校が金賞を受賞した。

 全国の農業高校から159検体がエントリーし、しのぎを削った「第9回全国農業高校お米甲子園」は15校15検体が最終審査に駒を進め、6校が金賞を受賞。金賞校の中から最多得票の高校に贈られる「最高金賞旗」は、長野県佐久平総合技術高校臼田キャンパス・創造実践科生物環境系列が獲得した。

 同校2年生の木次悠菜さんは「最高金賞は思ってもいなかったので高校名を呼ばれた時は信じられなかった。初めての田植えは大変だったが苦労したかいがあった」と笑顔を見せる。指導教諭の水谷通章さんは「JA佐久浅間の稲作技術を忠実に実行し、中干し期間を少し長めに取ったのも功を奏した。佐久のお米はおいしいということを評価していただいたことは今後の生徒たちの自信にもつながる」と目を細める。

 過去6回出品で5回の金賞(うち最高金賞2回)受賞歴を持つ「コメ作り強豪校」、飛騨高山高校山田校舎生物生産科は今大会でも金賞に輝き、連続受賞記録を4回に伸ばしたものの、地元に最高金賞旗を持ち帰る悲願は果たせなかった。指導教諭の飯山篤史さんは「金賞を落とした2014年大会以来の悔しさ。地元開催で意気込んでいただけに無念でならないが、来年の出品に向けて気持ちを切り替え、どうすればもっとうまいコメが作れるのか生徒と一緒にまた工夫を重ねていきたい」と力を込める。

 会場ではこのほか、全国各地からよりすぐったおいしいコメ15銘柄が食べ比べできる「日本の名稲(めいとう)巡り」コーナーをはじめ、地元JA青年部各支部による手作り看板展示、飛騨の伝統芸能披露、特産品やご当地グルメの販売ブース、最新の営農機器や農法を展示紹介する企業ブース、地元農業高校の物販ブースなどが立ち並び、多くの人でにぎわいを見せた。