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高山のギャラリーで「編みかご」作品展  さまざまな素材使った日用品・造形作品ズラリ

展示会場の様子

展示会場の様子

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 ギャラリー「遊朴館」(高山市上一之町)で現在、地元在住のかご作家・佃真弓さんによる作品展「つつむカタチ -may’s baskets- +かご教室生徒作品」が行われている。

佃さんの造形作品「物言わぬ島」

 高山市清見町の自宅兼アトリエでかご教室を主宰している佃さんが作ったかご編み作品40点、佃さんのかご教室に通う生徒の作品30点、佃さんが世界35カ国以上を旅した中で見つけた「世界のかご」製品30点など、日用品からアートまで計100点以上のかご編み作品を展示する同展。

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 会場には、編みかごでよく使われる素材の籐や竹だけでなく、ヒノキやイチイの薄板、野山に生えるツル、クラフトバンド、イグサ、鉄線、トイレットペーパーなど、さまざまな素材を使った佃さんの造形作品をはじめ、生徒が作った一輪挿しやバッグなどがズラリと並ぶ。展示品は販売も行う。

 「世界のかご」製品は、珍しい意匠や美しい技術が来場者の目を引いている。ラインアップは、ルーマニアのかご帽子(4,000円)、フィリピンのセパタクローボール(1,500円)、メキシコの銅線で編んだ小物かご(2,500円)、インドの赤ちゃん玩具(1,500円)、バリ島の緻密に編まれた手提げかご(2万3,000円)など。

 佃さんは「高山での作品展は7年ぶり。米コロラド州デンバーで昨年、これまでの集大成となる個展を開いたが、遠くて行けないから高山でもやってほしいとの声を受け開催にこぎ着けた」と話す。

 静岡県出身の佃さんがかご編みを始めたのは40年ほど前。結婚を機に移住した飛騨の地で、公民館などに展示されていた伝統的なかご編みの日用品に興味を持ったのがきっかけという。

 佃さんは「当時は藤細工ブームが来る前で、編み方を学ぶ本は少なく、技術を教えてくれる人も教室も無かった。『着物の仕立て方を知りたいのなら、着物をほどいて縫い方を見ればいい』と高校生のころ、祖母に教えられた言葉通り、手に入れたかごをばらして編み方を調べ、一つずつ基本を身につけていった」と振り返る。

 転機となったのは、地元農家が手製の日用品などを持ち寄り路面で販売する冬の風物詩「二十四日市」。わらで編んだ飛騨伝統の日用品「ばんどり」を見て感動した。

 「はじめはよそ者の冷やかしと思われ相手にされなかったが、何年も売り場に足を運ぶうち、一人の職人から『そんなに好きならやってみるか』と言われ、冬の農閑期に夢中で通い詰め、手取り足取り教えてもらった」と佃さん。

 「かご編みは今の時代、手間ひまもかかる上に割に合う仕事ではない。ただ、自然と共に暮らしながらいい素材が手に入る度にまた作りたくなる。材料が行きたい方向に呼吸を合わせて手を動かし、その繰り返しで気がつけば今も好きでかごを編んでいる。かごは形や素材を変えることで違った世界が見える面白さがある。身の回りにある素材の生かし方を考えるきっかけになれば」と来場を呼び掛ける。

 開催時間は10時~17時(最終日は16時まで)。入場無料。7月10日まで。