
高山市郊外で現在、穂を付けたススキが「ひょっこり」と顔を出し、通りがかった人々を驚かせている。
イネ科の植物で日当たりのよい山野に広く分布するススキは秋の七草の一つに数えられる。高山市国府町や一之宮町の国道41号線沿いでは現在、せみ時雨が降り注ぐ中、夏草に混じって穂をつけたススキが風に揺れている。
近隣住民たちは「一足早く秋が来たよう」「えっススキ?と思わず二度見した」と話す。近くの水田では、5月初旬に田植えした稲が青々と葉を茂らせ出穂はまだ始まっていない。
国府町金桶の団子店「松ちゃんだんご」店主の松垣均さんは「例年通りなら8月中旬のお盆ごろに穂を出すはず。こんなに早く見たのは初めて。今年は猛烈な暑さ続きで、1杯100円のアイスコーヒーが飛ぶように売れている。夏真っ盛りというのにススキは残暑と勘違いしたのかな」と首をかしげる。
気象庁の観測データによると、今年の飛騨地方の日中最高気温記録(7月30日現在、カッコ内は観測日)は、高山市で37.1度(7月19日)、下呂市で37.3(同24日)、飛騨市で36.8度(同15日)、白川村で35.1度(同20日)と、いずれも平均気温を8度~9.2度上回っている。高山市では7月13日から27日まで、33度以上の真夏日が連続15日間、猛暑日も5日間連続で続くなど記録的な暑さとなっている。