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高山に「おもちゃ病院」-月2回開院、無償修理・リフォームコーナーも

おもちゃを修理するスタッフと院長の福田さん(写真右)

おもちゃを修理するスタッフと院長の福田さん(写真右)

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 高山市の不用品リフォームセンター(三福寺町・資源リサイクルセンター内)に11月10日、「高山おもちゃ病院」がオープンした。運営はおもちゃ修理のボランティア団体「高山おもちゃ病院」。

「おもちゃのオペ室」

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 「物を大切にする心を育む」を目的に月1回、壊れたおもちゃの無償修理を引き受けてきた同団体。これまでは活動拠点を持たず、毎月30件以上に上る修理依頼に応えてきた。今回、新たな活動拠点としてリフォームセンターの一角を無償で借り受け、「新」おもちゃ病院を開設した。

 施設面積は約10坪。オペ室、部品倉庫、リフォームおもちゃの展示コーナーを備える。院長の福田仁重さんは「念願がかなってうれしい。これで落ち着いて治療に専念できる」と笑顔を見せる。

 「診療項目」も増えた。今後は、おもちゃの修理のほか、不用品として出されたおもちゃのリフォーム、障がいがあっておもちゃで遊べない子どもたちへの「おもちゃ改造」も受け付ける。

 「きっかけは20数年前のごみ埋め立て地火災」と話す福田さん。当時、市職員だった福田さんは、消火後の埋め立て地で火の見張り番をしていた。深夜、どこからともなく音楽や子どもが騒ぐような声が聞こえた。何事かと思い見に行くと、くすぶり続ける不燃ごみの山から「ママー、ママー」と呼ぶ声やテンポの狂った音楽があちこちで鳴り響いていたという。

 「おもちゃたちの泣き声だと思った」と福田さん。「不思議と怖いという感覚はなく、ひたすら悲しかった。恐らく消火の際、水をかぶったことによるショート現象だと思うが、どうしてもそう聞こえなかった。ずっと耳に貼り付いて離れなかった」と振り返る。

 その後、福田さんは岐阜県にまだ1カ所しかなかった「障がい者用自助具」を作るボランティア団体に参加。「捨てられたおもちゃや家電の部品を使って、簡単にボタン操作ができるよう改造したテレビリモコン装置、スイッチボタンが押せない子どものおもちゃ改造、オーダーメード中のオーダーメードでいろいろ作った」と福田さん。その後、時代が追いつき団体は活動休止。同団体のメンバーと2007年10月、「高山おもちゃ病院」を設立した。

 現在の会員数は10~70代の20人。中学生、主婦、電機店店主、無線技師、元工業教諭、元SL機関士など経歴はさまざま。「これまでに修理したおもちゃは1500個以上。治癒率は92.3%」と福田さん。「捨てられたおもちゃの8割は修理の必要がない」とも。

 同団体は今後も会員を募集するほか、「万年不足しているのが『使い残し電池』。動作テスト用にいくらあっても足りない。もし譲っていただける方があればうれしい」と協力を呼び掛ける。

 おもちゃ修理は実費300円までは無償で修理するが、それ以上は依頼主と相談。「危険なおもちゃ」と「骨董(こっとう)品」以外なら何でも引き受ける。

 リフォームおもちゃは、毎月第3日曜をめどに不用品リフォームセンターで開かれるリフォーム製品フェアに出品し、抽選の上無料配布。応募は1週間前から受け付ける。

 修理受付時間は、毎月第2・第4土曜の10時~15時。開催場所は、第2土曜=不用品リフォームセンター、第4土曜=高山市総合福祉センター(昭和町2)。問い合わせは同団体(TEL 0577-32-0650)まで。

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