NPO法人ひだ文化村は11月1日、武満徹作曲のCDアルバム「スピリット・ガーデン」を発売する。
同アルバムは、今年7月2日に飛騨市文化交流センター(飛騨市古川町若宮、TEL 0577-73-0180)スピリット・ガーデンホールで公演が行われた開館5周年記念コンサートの模様を収録したもの。小泉和裕さん指揮、演奏は東京都交響楽団。
同ホールの名前の由来となった曲「オーケストラのためのスピリット・ガーデン(精霊の庭)」は、1994年に武満徹が飛騨古川のために作曲したもの。曲の発表当時、若杉弘指揮で「飛騨古川国際音楽祭・東京特別公演」として東京サントリーホールで世界初演され、全国的な話題となった。
飛騨市古川町と武満徹との交流は1989年、武満徹が「第1回飛騨古川音楽大賞」を受賞したことに始まる。以来、1996年に亡くなる直前まで、機会あるごとに訪れるようになり、とりわけ「起こし太鼓」とよばれる飛騨古川の春祭りをこよなく愛した。
作曲にあたり武満徹は「古川の自然や、あの町の人々の優雅な生活のたたずまいを思うと、小手先細工のようなものだけは作りたくない。古川の春祭りのあの太鼓の奥深い響きの中から聴き取れるものを、少しでも多く聴きだせたら」と語ったという。
曲を送る言葉では「(飛騨古川の)祭りは大変独特なもので、あの大太鼓のゆったりとした底深い響きはいつまでも忘れられない。こうした聖なる空間が未だこの地上に存在することを、私は何にも換え難い貴重なこととして感じている。『スピリットガーデン(精霊の庭)』という題を付したのも、それ故である」とも。
価格は1,800円で、初回プレス1000枚限定。同施設のみで販売している。