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「カップ麺容器にツバメ」・リターンズ-巣を自らリフォーム、卵温める

自らでリフォームした巣に座り込み卵を温める親ツバメ

自らでリフォームした巣に座り込み卵を温める親ツバメ

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 高山米穀協業組合本社(高山市初田町2)の軒先で再び、カップ麺のあき容器で作った巣につがいのツバメが暮らし始めた。

巣の中の様子

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 6月27日付けの飛騨経済新聞記事「カップ麺容器の巣でツバメ子育て-カラス襲撃から1週間、巣立ち近づく」で紹介したツバメのひなたちは、記事掲載から2日後、社員らに温かく見守られながら全羽無事「巣立ち」。

 「カップ麺容器の巣」考案者の同社社員・白川さんも、巣立ちの瞬間は見逃したものの「全羽無事飛び立つ」の知らせに安堵(あんど)の表情を浮かべた。お役御免となった空の容器をそろそろ回収しようと思っていた矢先、再びつがいのツバメが巣に飛来した。

 1週間ほど前から、崩れかけの巣でなくカップ麺容器の方に住みついたツバメたちは仲むつまじく営巣。前回のひなたちが爪をかけ身を乗り出していたため少し欠けていた容器のふち部分を泥で補強し、中に草を敷くなどより快適に住みやすく自ら「リフォーム」したという。

 白川さんは「カップ麺の巣を選んでくれた気持ちはうれしいが、正直複雑な気分。本来の巣作りをしなくてもいいのかな」と困惑の色を見せつつほほ笑む。

 数日前からは、つがいの片方が巣に座り込み卵を温めているようなしぐさを見せ始めた。再び見守りの日々が始まった社員たちの間では「前のツバメとは違うツバメではないか」「ツバメネットワークで中古物件情報が出回ったのでは?」などのうわさが飛び交っている。

 ツバメの生態に詳しい飛騨生態調査研究室・室長の大森清孝さんによれば、「少なくとも片方は前回と同じ親ツバメの可能性が高い」という。「ツバメは帰巣本能が非常に強い鳥で、繁殖期も越冬のため南の大陸に渡る約1カ月前の秋までと比較的長い。つがいの片方が他の動物に捕食されるなどアクシデントに見舞われた場合、残った方が相手を替えて新しいペアを組み同じ巣で2回目の繁殖に挑むケースも確認されている」と話す。

 巣の中には現在、卵4個を確認。大森さんは「ふ化までの所要日数は13日~18日。もうそろそろかわいいひなが見られるのでは」と笑顔を見せる。

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