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元ハリウッド映画ライター・中子真治さん、「80‘SFX映画評集成」出版

新刊本を手にする中子真治さん(高山市本町・留之助商店で)

新刊本を手にする中子真治さん(高山市本町・留之助商店で)

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 高山市在住の元ハリウッド映画ライター・中子真治さんが12月11日、単行本「中子真治SF映画評集成~ハリウッド80‘SFX映画最前線」を出版した。発行は洋泉社(東京都千代田区)。

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 中子さんは1980(昭和55)年から6年間、ロサンゼルスに単身渡米しハリウッドのSF映画ジャーナリストとして活躍。特殊撮影を意味する「SFX」という言葉を日本に初めて紹介した人物としても知られる。帰国後はアメリカ文化関連のイベント企画や監修、日本映画のSFXプロデューサーなどを務めた。

 現在は、生まれ故郷の飛騨で学校給食や宅配弁当などを手掛ける「ハローランチ飛騨店」(下呂市森)を経営する傍ら、自身の趣味を楽しむ店として、オブジェ・トイやムービー・グッズを取り扱うギャラリーストア「留之助商店」(高山市本町3)の店主を務めている。

 同本は、これまでに中子さんが執筆した20冊以上の本に未収録の原稿を写真付きで収録する。内容は、80年代の日本の新聞や雑誌に寄稿した最新ハリウッド映画評、スティーブン・スピルバーグ監督との対談やジェームズ・キャメロンさんが初監督就任後4時間しか経過していない時の取材記事、映画の裏方を支える職人スタッフの紹介記事、中子さんのいた当時のハリウッドの空気を文章で切り取った「ハリウッド・メモランダム」など全4章176編。

 渡米の軍資金を得るため、当時集めていたSF映画のフィルムコレクションを売りに出したところ、作家の小松左京さんと漫画家の手塚治虫さんが名乗りを上げたエピソードなども明かす。

 「SF映画のとりこになったきっかけは小学校1年生のころ、テレビの深夜放送で『キングコング』を見て不思議な映像に魅了された。何の後ろ盾もなく英語も全く話せないまま渡米を決意したのが27歳の時。世界最高峰の映画造形作家グレッグ・ジーンさんがくれた名刺1枚を頼りにハリウッドの現場に潜り込み、海の向こうから一人声を張り上げていたあのころが懐かしい」と中子さん。

 「30年前に書いた文章をあらためて世に出すことに少し気恥ずかしさもあるが、還暦を迎えた今は『ま、いっか』が座右の銘になっている(笑)。とは言え、映画『ブレードランナー』の取材記事などは、よくもこんなに真面目にやっていたなとわれながら感心する。多くのファンを魅了した80年代ハリウッドSFX映画を知らない若い世代にも、興味を持っていただくきっかけにければ」と笑顔を見せる。

 価格は3,990円。B5変形判、479ページ。留之助商店のほか、アマゾン、全国の主要書店でも扱っている。

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