高山短大付属幼稚園(高山市下岡本町)で3月3日、卒園を控えた年長児たちが「生きびなさま」に扮(ふん)する「ひな祭りの会」が開かれた。
桃の節句と3月生まれの友だちの誕生日を祝う同会は今年で35回目。1979(昭和54)年の開園当時から続く伝統行事で、職員たちが反物の端切れや木工の廃材を使って手作りしたひな壇の小道具や衣装が、先輩園児から代々受け継がれている。
年長組の各組から選ばれた園児たち15人はこの日、スポットライトを浴びながら全員の前に登場すると、緊張した面持ちで一人ずつ自分の役柄と名前を発表。ひな壇に整列した後、ほかの園児たちと一緒に「うれしいひなまつり」を元気いっぱいに合唱したり、記念撮影を行ったりした。
精いっぱいのすまし顔を披露する愛らしい生きびなさまの姿に、夢中でカメラのシャッターを切っていた保護者たちは「りりしくてかわいかった」と目を潤ませながら笑顔を見せた。生きびなさまの大役を務め終えた園児たちは「緊張したけどうまくできた。疲れたけど楽しかった」とホッとした表情を浮かべていた。