「奥飛騨ファーム」(奥飛騨温泉郷栃尾)で現在、ココアやチョコレートの原料として知られる「カカオ豆」の実が初収穫を間近に控えている。
温泉蒸気を利用した温室でバナナ苗栽培などを手掛ける同社。代表の滋野亮太さんによると、カカオ苗の栽培は4年ほど前から続けているが、収穫できるまでに実が育ったのは今回が初めてという。
「これまでにも一度、実を付けたことがあったが、苗木が若すぎたせいか2センチから育たなかった。それ以降は花が咲くばかりで実を付けないので今年もだめかと半ばあきらめていた。ところが先日、何の気なしに葉をめくってみたら大きく実ったカカオの実を発見し驚いた」と滋野さん。
現在、実の大きさは15センチほど。順調にいけば1カ月ほどで収穫できるという。「栽培も4年目に入りようやく木も大人になってきた証拠。今回実を付けたのは10本ある木のうち1本だけだが、これからは残りの木も期待して見守っていきたい」と話す。
「食用バナナの栽培も順調で、今年から首都圏での販売を始める。苗木の問い合わせも多く、現在半年待ちの状態。ゆくゆくはオール奥飛騨温泉メードのチョコバナナも夢じゃない」と笑顔を見せる。