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飛騨金山で「登路瀬学校」開校-得意分野持ち寄り講座、タカ狩りや石積み塾など

飛騨金山登路瀬学校校舎

飛騨金山登路瀬学校校舎

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 下呂市金山町登呂瀬(とろせ)地区に4月19日、里山体験施設「天川(てんせん)セブンの里 飛騨金山登路瀬学校」が開校した。

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 同地区は飛騨木曽川国定公園「横谷峡四つ滝」の上流域にある山村で、昭和の全盛期には7軒の集落があった場所。小学校の登路瀬分校が1959(昭和34)年に廃校して以降、住民の転出が続き、今では畜産農家の1軒のみとなっている。

 同取り組みは、現在集落に7軒ある空き家オーナーを核に運営委員会を組織し、古民家の1軒を里山体験プログラムの拠点として活用するもの。立ち上げについて、同委員長の長尾伴文さんは「谷川に住む魚の調査でこの地を訪れた際、自然が輝きを放ち、いまだ人間の生活感が漂う里山の光景に感動したのがきっかけ」と話す。

 かつては小川が流れ、夏は蛍が乱れ飛び、雨の日はカメが道を歩いていたという。「今は蛍もカメも厳しい状況だが、川魚のクソバイ(アブラハヤ)はすんでいる」と長尾さん。「限界集落という言葉は使いたくない。周辺の山村集落を回廊としてつなぎ、生活収入の創出とリンクして美しい里地里山の復刻を目指したい」と意欲を見せる。

 いつのころからか略表記の「登呂瀬」を使っていたという地名は、昔ながらの「登路瀬」に改めた。美しい星空と川に囲まれ住んでいた7世帯に敬意を表して「天川セブン」とも。

 開校式が行われたこの日、下呂市や岐阜市から登路瀬分校の卒業生を含む25人が参加。記念樹の植樹や食事交流会、集落にある観音堂参りなどを楽しみながら、集落の思い出や未来の展望話に花を咲かせた。

 学校では今後、里山の新たな魅力創出や、生きる力を育む学びの場の提供をコンセプトに、参加メンバーが得意なことを持ち寄り、「先生」となって不定期で各種講座を開くという。

 予定プログラムは、鷹匠(たかじょう)によるタカ狩りの実演、山茶・柿漬物など伝統食の復元、川魚の観察と繁殖、登路瀬マップづくり、観音さま参り、石積み塾など。

 講座の開催日程や詳しい内容は、金山町観光協会ホームページで随時告知する。問い合わせは同委員会事務局(長尾さん、TEL 090-8736-7318)まで。

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